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太陽から5番目の距離にあり、太陽系の中でもっとも大きな惑星。天球では太陽、月、金星(ときに火星)についで4番目に明るく、平均等級は-2等星である。木星は、有史前より存在が知られ、ローマ神話の最高神ユピテル(英語名ジュピター。ギリシャ神話のゼウスにあたる)の名前がつけられた。古代中国では、木星が黄道上の12の星座(→ 黄道帯)を1年に1つずつわたっていくことから、干支(→ 十干十二支)にちなみ「歳星」とよばれていた。 木星は、地球とくらべると、半径はおよそ11.2倍(7万1492km)、体積は約1400倍もあるが、質量は317.8倍しかない。したがって木星の平均密度は地球の4分の1で、巨大な木星を構成している物質の大部分は、地球やほかの内惑星のような金属や岩ではなく、水素とヘリウムのガスであることがわかっている。 太陽系の全惑星の質量の3分の2をしめる巨大な木星は、太陽やほかの恒星と同様、宇宙でもっとも軽くて量の多いこの2つの元素で構成されている。したがって木星は、46億年前に太陽系全体を生みだした星間ガスと塵(ちり:→ 星間物質)の巨大な雲、原始太陽系星雲の一部が直接凝縮したものである可能性が強いと考えられている。 太陽からの平均距離は地球の5.2倍(7億7830万km)で、木星が太陽の周りを1周するのに11.86年かかるが、自転周期はわずか9.9時間である。高速で自転しているために生じる赤道の膨らみは望遠鏡でみることができる。しかも、回転は一様ではなく、緯度によってことなっている。木星が縞模様(しまもよう)にみえるのは、緯度によって強さがことなる大気の流れがあるからである。雲の色によって縞模様がはっきりとみえ、卵形をした有名な大赤斑(だいせきはん)もふくまれている。これらの色は紫外線、雷の放電、熱によってできた化合物によるものらしいと考えられている。
最初に木星をおとずれた惑星探査機は、1973年12月のNASA(アメリカ航空宇宙局)のパイオニア10号である。木星に13万kmまで近づき、のちに4万3000kmまで接近した11号(1974年12月)とともに木星の近接撮影に成功した。79年3月にはボイジャー1号が、7月にはボイジャー2号が、それぞれ接近してさらにくわしく観測をおこなった。その成果としては、木星の環や衛星イオの活火山を発見し、地表のようすを解明したことがあげられる。 同じくNASAの探査機ガリレオは、1989年10月にスペースシャトルから放出され、95年7月に大気を観測するためのプローブ(探査装置)を切りはなした。プローブは12月に木星大気に突入、強い風がふいていることなどを観測した。ガリレオ本体は12月7日、減速して木星周回軌道に入った。衛星のエウロパやガニメデ、カリストに接近して観測し、エウロパの表面に氷が存在することや、ガニメデの大気に酸素がふくまれていることなどを発見した。2000年2月からは第3次ミッションであるガリレオ・ミレニアム・ミッションに入っており、03年8月まで観測をつづける。
1995年12月、探査機ガリレオからはなれ、木星の大気圏に進入したプローブは、それまで探査機ボイジャーからのデータや、94年7月にシューメーカー・レビー第9彗星(SL-9:→ 彗星)が木星に衝突した際の大気の分光分析(→ 化学分析)によるデータから科学者が考えていた結果をくつがすようなデータをもたらした。
探査機ボイジャーの赤外線観測によって、木星の質量の18%がヘリウムであるとされていた。しかし探査機ガリレオのプローブがもたらしたデータでは、質量の75%が水素で、ヘリウムは24%という結果が出た。このように結果に差が出たのは、ボイジャーのデータが遠隔測定によるものだったためと考えられている。このヘリウムの質量は、形成されたときの太陽に占めるヘリウムの比率、28%に近い値であり、木星のとなりに位置する土星の約3倍にあたる。このことから、木星と土星とでは進化の過程がことなっていたことが判明した。 木星における水素とヘリウム以外の物質の量はごくわずかしかない。プローブの観測では、炭素、硫黄の量は太陽よりも多く、液化した酸素は予想値よりも少なかった。窒素に関してはまだ確定していない。 さらに炭素や水素などからなる有機化合物についても調査されたが、プローブの観測では極端に少ない量しか発見することができなかった。これは生物発生の過程が生じた可能性がきわめて低いことを意味している。
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