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アメリカ合衆国で話されている英語。イギリス英語やオーストラリア英語などほかの地域で話されている英語と、大きくちがうわけではないが、発音を中心に区別できる特徴をもっている。 アメリカの辞書編集者ウェブスターは、アメリカ英語とイギリス英語の語法の違いが大きくなっていることに着眼し、アメリカ版英語辞典(1828)で、アメリカ英語独自の単語や、従来の単語にその土地固有の意味がつけくわわったもの、発音の違い、彼が考案したつづりの変更(イギリス英語の-reを-erに、-ourを-orに、chequeをcheckに、など)を採用した。ウェブスターは、アメリカ英語はいつか独立したひとつの言語になるという予言までした。しかし、現在のところは、アメリカ英語はイギリス英語の一方言であるとみなされている。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカ英語の研究は、おもに、アメリカ語法の同定と語源の探求であった。たとえばアメリカ英語に特有な語彙(ごい)として、アメリカ先住民の言語から借用した語(mugwump、caucusなど)、イギリスではもちいられなくなったあとも使用されつづけた語(bugは、イギリスでは「ナンキン虫」だけをあらわすが、アメリカでは一般の「虫」を意味する)、アメリカで新しい意味に発展した語(cornはイギリス英語のmaizeと同じく「とうもろこし」の意味だったが、さらにgrainにかわって「穀物」全般をさすようになった)などがあげられた。また、イギリス英語のlift、dustman、chemist'sが、アメリカ英語ではelevator、garbage collector、drugstoreというなどの違いも指摘された。最近では、アメリカ英語内の方言差や、その方言差の社会的、歴史的起源についての研究がおこなわれている。
1940年以前の地域方言に関する調査では、標準アメリカ英語は3つのおもな方言とそれぞれの下位の方言にわけられた。北部方言(ニューイングランド方言)は、ニューイングランドとニューヨーク州で話されている。この下位方言のひとつに、ニューヨーク市の「ニューヨークなまり」がある。中部方言(一般的なアメリカ方言)は、ニュージャージー州からデラウェア州までの海岸沿いできかれる。北オハイオ・バレーとウェストバージニア州、ケンタッキー州やテネシー州の東部にかこまれた地域に、中部方言の変種が存在する。南部方言は、デラウェア州からサウスカロライナ州にかけて話されている。
アメリカ英語は、語彙と文法の両面にわたって、社会的、文化的方言によるさまざまな違いがあり、標準語の話者は、かならずしもすべての方言を理解できるとはかぎらない。語彙と文法において、アメリカ英語の中でもっとも顕著にちがっているのは、接触言語(クレオール語)であるガラ英語で、ジョージア州やサウスカロライナ州などの黒人によって話されている。ガラ英語は、17~18世紀の黒人英語といくつかの西アフリカの言語が混在したものである。もうひとつの例は、ペンシルベニア・ダッチで、実質上、ペンシルベニア州への移住者のドイツ語に影響された直訳的英語である。
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