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北極地方に分布するハタネズミに似たげっ歯類。英名でレミングLemming と付く種は多いが、分類学的にはおもにネズミ科ハタネズミ亜科のレミング属Lemmusとクビワレミング属Dicrostonys、ヌマレミング属Synaptomys、モリレミング属Myopusを意味することが多い。ここではレミング属についてのみ解説する。
カナダ北部や西部からアラスカにかけてのツンドラ地帯に生息するカナダレミングは、13cmほどの小さく短い胴体に、きわめて短い尾をもつ。頭部から背部にかけては黄褐色、腹から肢にかけては黄褐色がまじった明るい灰色をしている。頭はまるく、耳は毛にかくれるほど小さく、短く太い鼻先は毛におおわれている。足は短い。 水辺に長くほりめぐらしたトンネル状の巣穴でくらし、コケ植物や草花の茎など植物性の餌(えさ)を食べる。体毛や草、コケ植物、地衣類をつかって巣をつくり、1年に1~2回、1回あたりおよそ5頭の子をうむ。
ノルウェーやスウェーデンの農耕地帯では、周期的に集団移動するノルウェーレミングの姿をみることができる(→ 動物の移動)。この集団移動のせいで、ノルウェーレミングはタビネズミという名でも有名になった。ふだんは山地にすむノルウェーレミングは、個体数が多くなりすぎると、食料が不足し生息環境がこみあうので、何千頭もが食料をもとめて移動する。 移動中のレミングは、湖や川をおよぎ、山をこえ、道中の植物をすべて食べつくす。途中、病気や捕食者によって数は減少するが、移動はつづけられる。そして最後にその一部が海にたどりつき、川をわたるつもりでおよぎはじめ、すべての個体はおぼれ死んでしまう。これは比較的まれな現象だが、個体数は3~4年の周期で変動している。ほかのレミングには、このような移動はみられない。
レミング属には上記2種以外にもシベリアのベルホヤンスク山脈からアムール川上流まで分布するアムールレミング、シベリア北東部にはキバラレミング、ベーリング海のプリピロフ諸島にはクロアシレミング、シベリア北部から白海西部まで分布するシベリアレミングの4種がいる。 分類:哺乳綱ネズミ目(げっ歯目)ネズミ科ハタネズミ亜科レミング属。カナダレミングの学名はLemmus trimucronatus。ノルウェーレミングの学名はL. lemmus。アムールレミングはL. amurensis。キバラレミングはL. chysogaster。クロアシレミングはL. nigripes。シベリアレミングはL. sibiricus。
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