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おもに両極地方を中心に生息する食肉性のやや大型の海生哺乳類。ネコ目アザラシ科の総称としてもアザラシという。 外耳がなく、首は短くて比較的かたい。前肢は短いが爪(つめ)をもち、これをつかって岩端や海氷上をはう。後肢は前にまがらず、およぐときは、左右の後肢を魚が尾鰭(おびれ)をふるように左右にふっておよぐ。 アザラシ類は、四肢の長いアシカよりも水中生活によく適応しているが、陸上の歩行は苦手で、のたうつようにして苦労しながらすすむ。 アザラシ類は世界各地に広く分布し、種の分化もすすんでいる。しかし多くのアザラシが毛皮を目当ての狩猟の対象となっている。
北極圏にすむワモンアザラシは、アザラシ類の中では小型の種で、頭胴長1.1~1.5m、体重45~95kgほど。オスのほうがやや大きい。全身に小さな輪のような模様がある。流氷にのって移動することはあるが、回遊はおこなわない。 北大西洋にはズキンアザラシ、タテゴトアザラシなどが生息する。 ズキンアザラシは、オスの頭胴長2.5m前後、体重は約400kgの大型のアザラシで、メスはオスよりはやや小型である。成獣のオスはゾウアザラシのように発達した鼻があり、相手を威嚇する場合などには、この鼻をふくらませたりする。 タテゴトアザラシは、北大西洋から北極海にかけて生息し、比較的大きな回遊をする。頭胴長1.7m、体重130kgほど。体色は灰色で、成獣のオスでは背に黒色の模様があり、これを上からみると英語のUの字形をしている。この模様を竪琴(たてごと:ハープ)にみたてて、その名がついた。大きな群れをつくり、繁殖期にはニューファンドランド島以北の氷原に多数あつまる。 北太平洋にはゴマフアザラシやクラカケアザラシなどが生息する。 北太平洋と北大西洋に生息するゴマフアザラシは、黄色をおびた白地に茶色の斑紋(はんもん)をもち、大きいもので頭胴長1.8mまで成長する。 クラカケアザラシは、ベーリング海からオホーツク海にかけて生息する。オス、メスともほぼ同じ大きさで、頭胴長1.6m、体重95kgほど。単独または小さな群れをつくり生活する。生まれたばかりの子は白い毛でおおわれるが、成長したオスは黒色の地に首や腰、前肢の付け根には、はっきりした白い帯模様があらわれる。そのため、この毛皮が珍重され、人間にねらわれている。
中緯度や低緯度(→ 緯度と経度)の地域にはキタゾウアザラシやモンクアザラシなどが生息する。 キタゾウアザラシは、かつて南カリフォルニア周辺海域にふつうにみられた。頭胴長は6.7mにも達する大型のアザラシである。 モンクアザラシは3種が知られる。そのうちのチチュウカイモンクアザラシは地中海と黒海に生息し、オスの頭胴長2.5m、体重260kgほどの大型のアザラシ。メスのほうがやや大きい。 ハワイモンクアザラシは、別名タイヘイヨウモンクアザラシともいい、ハワイ諸島近海に生息する。チチュウカイモンクアザラシよりはやや小型である。 カリブカイモンクアザラシ、別名タイセイヨウモンクアザラシは、1952年に目撃されたのを最後に発見されておらず、おそらく絶滅したものと思われる。かつてはフロリダ半島やバハマ諸島などの近海に生息していた。
南半球では、おもに南極周辺にヒョウアザラシやカニクイアザラシ、ウェッデルアザラシ、ミナミゾウアザラシ(→ ゾウアザラシ)などが生息する。 ヒョウアザラシは南極海に生息するアザラシで、海洋で餌(えさ)をとり生活するが繁殖は氷上でおこなう。かなり大型のアザラシで、オスは頭胴長2.8m、体重約325kg、メスは頭胴長3m、体重約370kgとメスのほうが大きい。頭は大きく、大きくさけた口にはするどい歯がある。ペンギンや海鳥のほか、他のアザラシなどを捕食する。恒温動物を食べる唯一のアザラシでもある。 カニクイアザラシも南極海に生息する。オス、メスともほぼ同じ大きさで、頭胴長約2.3m、体重約220kgほど。全身明るい灰色をしている。ヒョウアザラシとはちがい、大型のプランクトンなどを食べている。 ウェッデルアザラシは、哺乳類の中でもっとも南に生息する。南極大陸周辺などの氷の上でくらし、イカや魚類などを食べている。オスは頭胴長2.5m、体重390kgほどの大きさで、メスのほうが大きい。性質はきわめておとなしいといわれる。 以前は南半球の大半の地域に生息していたミナミゾウアザラシは、今でもサウス・ジョージア島などの南大西洋海域に生息している。
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