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植物の種や群落が生息する空間的な配置をいう。種の分布を決定する、もっとも重要な要素は、地質、環境、植物自身の散布能力である。ふつう、ことなる種の分布のパターンが同じことはない。
植物の分布に影響するさまざまな要因を研究する学問を植物地理学という。これには、特定の種の実際の分布を確定すること、その情報を分布図に記して植物の生育地をしめすこと、一定の地域に生育する植物の種や群落の全体像をえがきだし、記載することなどがふくまれる。→ 気候の「植生を考慮した気候の分類」
過去に幾度もおこった気候と陸地の変化は、植物の種の生存と分布に大きな影響をあたえた。もっとも劇的な変化は大陸移動(→ プレートテクトニクス)だった。 この地殻の運動は地質年代を通じておこなわれ、大きな大陸塊が分離し、合体し、山ができ、新しい気候帯への移行があった。いちばん最後の大陸移動は、三畳紀にはじまったもので、そのときに、パンゲアという1つの大きな大陸が、小さな陸塊にわかれたと考えられている。 このような地質変化によって、植物の多くの種の不思議な分布について、ある程度納得のいく説明がつく。また、それ以外には、うまく植物の分布を説明できない。 たとえば、ナンヨウスギ属の針葉樹の種子はひじょうに大きくて、海水にもうかない。だから、この種子は近いところにしか散らばらないはずなのに、すべての大陸や、大陸から分離したとみられる島で、化石または実際に生育していることが確認されている。 そのほかの地質学的変化、たとえばくり返しやってきた氷河時代なども、植物分布に影響をあたえた。最新の氷河時代は約170万年前で、広大な地域が凍結したり、氷河におおわれたため、植物は山地のより低い場所、緯度のより低い場所にとじこめられた。
あるきまった場所で生育し繁殖する植物種は、その地域の温度、降水量などの気象条件にたえられ、その土壌に生育できるものにかぎられる。 乾生植物はひじょうに乾燥した条件下で生きることができる。砂漠の低木はその典型だが、高山植物も乾生植物といえる。地面がこおって根から水を補給することができないからである。 中生植物は、ふつう適度の降水量の地域にみられるが、砂漠でも雨季に花をさかせる一年草として生育できる。 湿地帯に生育する水生植物は、生命に不可欠な酸素と二酸化炭素が水にとけて摂取しにくいという環境に適応している。 地理的に遠くはなれ、たがいに別の科に属する植物が、生育地の環境条件へそれぞれ同じような適応をして進化したため、外見がそっくりになることがよくある。 アメリカなどの砂漠のサボテンは、近縁でない南アフリカの砂漠のアロエなどの多肉植物と外見が、そっくりである。同じように、降雨林(→ 熱帯雨林)の木の外見が、近縁でなくてもそっくりで、葉も似ていることが多い。
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