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国土の38.3%(2005年推計)が森林である。1980年代に急激にすすんだ森林伐採の速度は一時ほどではなくなったとはいえ、伐採はいまだに盛んにおこなわれており、毎年、全森林の1.43%(1990-2005年)が消失している。南アメリカ諸国のうち、エクアドルはパラグアイについで森林伐採率が高い。材木の切り出しを奨励し、無人ないし過疎の地域への入植を推進する政策が、こうした森林の消失に拍車をかけている。 消失した森林地帯の大部分は原生林で、他にほとんど類をみない豊かな生物多様性はこの原生林の特徴だった。種の多様性にくわえ、ここに生息していた生物の大半が固有種でもあったことから、この原生林をうしなったことは重大な損失である。森林伐採は、種の消滅だけでなく、土壌浸食、洪水、砂漠化の原因ともなっている。 森林伐採率が高い一方で、公園や保護区は全土の9.3%(2004年)を占める。エクアドル政府ははやくから債務・環境スワップ(他国からの債務をそれにみあう自国の環境保全を実行することで帳消しにすること)をとりいれ、エコツアー(→ エコツーリズム)も盛んになった。エコツアーの目的地は固有種が豊富なことで有名なガラパゴス諸島が多い。ガラパゴス諸島とエクアドル中央部の標高800~5000mにあるサンガイ国立公園は世界自然遺産である。 石油はエクアドルの主要な天然資源であり、貴重な財源でもある。その一方で産業廃棄物、なかでも石油産業から出る廃棄物が深刻な水質汚濁の原因になっている。漁業の分野で急速な成長をとげているエビの養殖場をつくるために、海岸沿いの湿地帯の破壊がつづいている。
現行憲法は2008年10月に公布。行政府の長は大統領である。大統領は国民の直接投票で選出され、任期は4年。2期連続再選がみとめられている。大統領は軍の最高指揮官でもあり、緊急事態には非常大権があたえられる。 立法権は一院制の議会がもつ。定員は124名で任期は4年。議会は立法のほかに条約の批准、最高裁判所や高等裁判所の判事の選任などをおこなう。 各州は大統領により任命される州知事がおさめ、選挙で州議会議員が選出される。県では選挙によって県会議員がえらばれ、県会議員が議長を選出する。農村区域の行政は大統領に任命された行政官がおこなっている。
エクアドルの裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所がある。刑事訴訟は1名の判事と3名の陪審員からなる特別陪審でおこなわれ、科料は禁止されている。死刑はない。
エクアドルでは伝染病予防には有効なプログラムが確立されている。黄熱病は撲滅され、マラリアや結核も激減している。しかし、栄養失調や乳幼児の死亡率(5歳以下の幼児死亡率は1000人当たり24人(2006年))の高さは依然として問題となっている。1991年には、ペルーから入ったコレラが流行し、606人の死者が出た。 政府は1942年以来、社会保障政策を拡充し、農民や労働者、職人、専門職などに対して健康保険、傷害保険、出産保険、失業保険を整備し、老齢者には年金制度をスタートさせている。医師1人当たりの人口は677人(2004年)。 20歳の男子を対象に12カ月の選抜徴兵制がとられる。2004年の兵力は、陸軍3万7000人、海軍5500人、空軍4000人である。
エクアドルの太平洋岸でおこったバルビディア文化は、前3000年ともいわれるアメリカ大陸最古の土器文化とされ、「バルビディアのビーナス」とよばれる女性土偶が数多く発見されていることでも知られる。その後にみられる古代の建造物の遺跡は、中央アメリカのマヤ文明と関連があると考えられている。のちのインカ文明をふくめ、いずれも文字による記録はのこされていない。インカ文明はペルーのクスコからティティカカ湖周辺を中心に発展していた。インカ帝国は、15世紀後半にはエクアドルの先住民部族を支配しており、初期のスペイン人侵略者にとって大きな軍事的障害となっていた。
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