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中国人の約70%は、官話方言とよばれる北方方言を話している。そのうち北京で話されている官話方言、いわゆる北京語は、近代、民衆によって書かれた白話や全国的な学校教育用にさだめられた公用の普通話の基礎になっており、現代の中国語の標準形となっている。
中国語にはほかに中国南東部で話されている6つの方言がある。広東語ともよばれる粤(えつ)方言は、香港や広東省、海外の華僑などによって話されている。湖南省の住民は湘方言、いわゆる湖南語を使用している。閩(びん)方言は福建省や台湾などで、贛(かん)方言は江西省などで話されている。呉方言は江蘇省や浙江省の住民によって話され、上海語をふくむ。客家方言は、華南各地に点在する客家の人々によってもちいられている。
中国語による記録は、前13世紀ごろの殷(商)の甲骨文字によるものにはじまり、つづく周の時代には「詩経」など多くの文献がのこされている。このころの中国語を、上古中国語(前13世紀~後3世紀頃)という。上古中国語は単音節言語で、語形変化をしないことがわかっている。
次の段階は中古中国語(11世紀頃まで)で、上古中国語の豊富な音韻体系が近代の方言のように極端に単純化していった。たとえば、上古中国語における音節の最初の子音p、ph、b、bhの4系列は、中古中国語では、p、ph、bhの3系列になり、現代の中国語では、p、phだけがのこっている。 なお、この時期に多くの漢字が日本につたえられたが、いわゆる呉音は六朝時代(→ 六朝文化)の江南の発音をもとにしたもので、漢音は唐代の長安の発音をもとにしたものである。
現代中国語の音節は、主母音と介音と韻尾をあわせた韻母に声調がかぶさっている。韻母の前には声母という語頭の子音がくることもある。音節の数は1300である。 語彙(ごい)は豊富だが、その多くは同音異義語で、「詩」、「施」、「湿」、「失」、「屍」、「虱」などの語は、中古中国語ではそれぞれちがう発音をもっていたが、現代語ではすべて第1声のshiという発音になっている。そこで、「詩」が「詩歌(shige)」となったように複合語を発展させて区別することになった。実際、同音異義語がたいへん多くなり、もし複合語が発展していなかったなら、区別ができずに理解不可能になっていたであろう。
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