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「こう」とも読む。また鋼鉄ともいい、鉄(Iron)に対してスチール(Steel)ともいう。鉄と鋼の大きな違いは、炭素の含有量によるもので、含有量が0.04~2.0%のものを鋼といい、鉄は0.04%以下だが、鋳鉄は2.1~6.7%もの炭素をふくんでいる。反対に純鉄は炭素やそのほかの不純物がひじょうに少なく、0.02%以下である。
鋼にふくまれる炭素は、硬さと強度をます働きをする。鋼には炭素のほかにもケイ素、マンガン、リン、硫黄といった元素が微量ふくまれており、これを鋼の5元素という。これは鋼の製造過程でどうしても入ってくる不純物である。ケイ素は鋼の硬さと硬度をまし、マンガンは焼入れ性(→ 焼入れ)を増大させ、強靭性(きょうじんせい)をます働きがある。そのため、鋼の性質は、炭素とマンガンの含有量によってほぼ決定される。しかし、リンは鋼に偏析をおこさせやすく、低温脆性(ていおんぜいせい:低温でもろくなること)をまし、硫黄は熱間脆性(200~300°C)をおこす有害な元素である。
鋼にふくまれる炭素は、鉄と化合物の一種であるセメンタイト(炭化鉄:Fe3C)として存在している。セメンタイトは単独では不安定なため、容易に鉄とグラファイト(石墨)に分解するが、鋼中ではかなり安定な相としてあらわれる。しかしセメンタイトの形状や分布の違いが鋼の機械的性質に大きな影響をあたえる。とくに、鋼に硬さをあたえるが、同時に脆(もろ)さもあたえる。セメンタイトをふくむ鋼は低温から常温では強磁性体だが、210°Cの磁気変態点以上では常磁性体となる。 常温における鋼は、炭素を0.76%ふくんだときは鉄とセメンタイトの共析晶であるパーライト(→製鋼の「鋼の組織」)となっている。しかし、炭素が0.76%未満のときにはフェライト(a鉄:→鉄の「鉄の同素体」)に、0.76%以上のときにはパーライトにセメンタイトが共存した状態となっている。また、オーステナイト(g鉄)との共晶組織はレーデブライトとよばれている。
鋼の組織は、炭素の含有量により変化するとともに、温度によってもことなっている。縦軸に温度をとり、横軸に炭素濃度をとった鉄-炭素系平衡状態図をつかえば、炭素の量と温度による鋼の組織を知ることができる。また、縦軸に温度をとり、横軸に時間をとった等温変態線図(恒温変態曲線とも)をつかえば、焼入れや焼戻しなどといった熱処理による鋼の組織変化を知ることができる。鋼の機械的性質は組織によって決定されるため、炭素量を調整することや、熱処理をほどこすことで、必要な組織や性質の鋼をつくりだすことができる。
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