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ラ・トゥール,G.de

ラ・トゥール Georges de la Tour
百科事典項目

1593~1652 宗教画と風俗画をえがいたフランスの画家。ろうそくの光でてらされた暗い室内をあつかった夜の絵がよく知られている。

ロレーヌ地方のビク・シュル・セイユで生まれた。作品は、劇的な光の効果で知られるイタリアの巨匠カラバッジョと、テネブリズム(明暗対比画法)の推進者だったオランダの画家テルブリュッヘンやファン・ホントホルストからの影響をうかがわせる。ラ・トゥールの夜景をえがいた絵は、たいまつやろうそくといった唯一の光源が強調されていることが多く、表現効果を高める光と影の強烈な対比がたくみに生かされている。「聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス」(1649?)では、その色彩は大きなろうそくの強い光によっていちだんと鮮明さをまし、場面の劇的効果を強めている。

昼の光景をえがいた作品には宗教画が多く、細部描写も繊細である。その作品は生涯を通じて、バランスのとれた構図と単純で量感のある形態と精巧で端整な写実を特徴とした。おごそかで簡潔な表現は、17世紀の古典主義を反映したものであり、出現しつつあったバロック美術に通じるものはほとんどない。彼の作品は死後に忘れられてしまっていたが、20世紀になって再発見された。

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