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細菌のような単純な生物から植物、動物にいたるまで、すべての生物を特徴づけている営みを、一言でいいあらわした言葉。生物の営みの基本は、生殖と代謝の2つである。
個々の細胞の自己複製もふくめた、ひろい意味での生殖の仕組みは、核酸とよばれる高分子の特性にしたがっている。DNA(デオキシリボ核酸)は、鋳型複製によって、自分自身の複製をつくることができるために、1つの細胞または個体から、ほかの細胞または個体へとつたわる遺伝物質となっている。DNA分子は、細胞の生活環のきまった段階とか、特定の分化をとげた細胞において、それぞれ特定のタンパク質の合成を指令する遺伝暗号をふくんでいる。 こうしてつくられたタンパク質の多くは酵素であって、生体内の物質の合成をつかさどる。したがって、生殖は生体をつくっている分子の複製をつくることと、分かちがたくむすびついており、結果として最終的に生物自体の複製をつくることになる。→ 遺伝学
もう1つの生体の主要な働きは代謝である。物理的、化学的な処理過程である代謝によって、外界からえたエネルギーを、成長をふくむ繁殖、移動、環境への反応といった活動につかう。動物の場合、環境への反応は神経系の働きである。エネルギー源は、光合成によって太陽の放射エネルギーを利用する植物の場合と、摂取した食物の化学エネルギーを利用する場合がある。 ある種類のエネルギーを別の形のエネルギーにかえるという点では、生体はエンジンに似ている。生命を厳密に定義するのはむずかしいが、大まかには、代謝と生殖の両機能がはたらいていれば、生物は生きているといえる。 代謝も生殖も細胞内ですすむ(→ 細胞)。真核細胞では、核膜でつつまれた中心構造物である核の中にDNAがある。はっきりとした核をもたない、細菌のような原核細胞では、DNAは膜につつまれていない。DNAの中に暗号化されていた情報は、RNA(リボ核酸)に転写されたのちに、真核細胞では核の外部にでて、細胞質の中でタンパク質へと翻訳される。代謝に必要な成分はすべて細胞内にあり、したがって細胞は生殖、代謝両方の構成単位となっている。 生命についてこれまで述べてきたことに当てはまらない唯一のものは、ウイルスである。ウイルスは半生物でしかない。複製をつくりうる核酸はもっているが、エネルギーを変換する能力はないからである。増殖に必要なエネルギーをえるために、ウイルスは細胞に寄生する。宿主細胞にはいりこみ、その細胞をウイルス自身の遺伝物質の指示にしたがわせるのである。 こうして宿主の遺伝情報のかわりにウイルスの情報をつかわせることで、ウイルス粒子はふえてゆくが、この過程で宿主の細胞は正常な複製ができなくなる。ウイルス粒子の成り立ちは、タンパク質の外殻につつまれた核酸であるが、ウイルスの種類によっては、核酸がDNAではなくRNAのものもある。 生命についての根本的な疑問のひとつに、起源がある。一般にうけいれられている説は、地球の歴史の初期、今から35億年以上前に、なんらかの自己複製系が外部のエネルギー源を利用する仕組みをえた、というものである。さらに、この過程でダーウィン流の自然選択の法則が重要な役割をはたしはじめ、エネルギーをもっとも能率よく利用し、複製をつくる分子が有利になったとされる。自然選択の結果として進化がどれくらいうまくいったかをはかる尺度は、生命の仕組みがその複製をつくる分子である遺伝子を永続させていく能力であるから、こうした規準はうなずけるところがある。 こうして、遺伝子を永続させるのに必要な代謝方法をそなえることができた原始的な生命は、競争で有利にたち、最終的には細胞に進化した。原初の細胞が生まれてからおこった変化、たとえば原核細胞から真核細胞へ、さらに多細胞生物、ついには高等動植物の誕生もまた、自然選択の結果だったと考えられる(→ 進化)。こうした一連の進化を考えると、地球以外の惑星で、別の進化が平行しておこっている可能性も否定できない。
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