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先カンブリア時代

先カンブリア時代 せんカンブリアじだい Precambrian Time
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

地質学において、岩石の層がみとめられるうちで、もっとも古い時代区分(地質時代)。古生代カンブリア紀に先だつ時代ということから、その名がつけられた。

現在、地球でみつかっている最古の岩石は、グリーンランドカナダの約38億年前のものである。また鉱物の年代では、40億年前に形成されたジルコンという鉱物が、オーストラリアからみつかっている。地質記録ののこっている38億年前から、生物の種類が爆発的に多様化しはじめた5億7000万年前までの間が、すべてこの時代にはいる。

II

マントルと海の形成

隕石の年代などから、地球は約46億年前に誕生したと考えられているが、地球誕生から約5億年間の岩石の記録はほとんどのこっていない。地球は誕生後まもなくは、溶融状態にあり、などの金属(コア)になって、そのほかのマグネシウムケイ素酸素などがマントルを構成した。マントルは大部分がとけており、マグマの海が地球表層をおおっていた。次々と落下してくる隕石の衝突エネルギーのために、地表は高温状態にあった。やがて隕石の量がへってくると、地表は冷えはじめ、大気中に存在していた水蒸気がとなってふりそそぎ、海が誕生した。このとき地表は、マントルがとけてできた岩石、つまり玄武岩地殻がおおっていた。

III

大陸と山脈の形成

40億年前ごろから、玄武岩地殻は、マントルの熱対流(対流)によって運動をはじめ、プレートテクトニクスの原形がつくられていった。地球は一面を海(海洋)におおわれていたが、その中から、プレートの沈み込み(沈み込み帯)によって火山列島が誕生し、小規模ながら陸地ができあがって浸食もはじまった。

地球最初の岩石は、このときにはじめて記録としてのこされた。ひきつづくプレート運動は、火山列島の衝突や合体をひきおこし、陸地の面積が徐々にふえていった。

約30億年前になると、大陸の面積は、現在の約半分くらいになったらしい。やがて大陸と大陸の衝突がおこり、山脈が形成され、大規模な陸地の浸食と風化によって、海にリン酸塩などの栄養塩がはこばれるようになった。こうして、現在のような物質の循環ができあがったのである。

IV

生命の誕生

地球での生命の誕生が、いつであったかはわかっていない。しかし、38億年前の地層には、生命活動が原因でできたと思われる有機化合物がふくまれている。初期の地球には酸素をふくむ大気は存在せず、濃密な二酸化炭素からなる大気が存在していた。したがって、最初の生命はおそらく玄武岩と原始の海水がはげしく反応するような熱水活動の場所でつくられた、嫌気性のバクテリア(嫌気性細菌)であったと考えられる。

やがて、バクテリアは光合成によってみずから有機化合物をつくりだす、独立栄養生物として繁栄していった。そして、ついに光合成により二酸化炭素から有機化合物をつくり、酸素を排出する仕組みが完成した。初期のこのような生物の代表としてシアノバクテリア(藍藻植物)がある(ストロマトライト)。

約26億年前、陸地の浸食によって海にもたらされた栄養は、すでに生息していた藍藻類の繁栄をひきおこし、大気の二酸化炭素は減少し、酸素が増加していった。現在の地球大気がつくられたのである。この酸素は、海に多量にとけていた鉄を酸化し、鉄鉱石として沈殿させた。日本が多量に輸入しているオーストラリアの鉄鉱石は、このようにしてできたものである。

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