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もっとも大型で、もっとも少なく、もっとも力が強い類人猿。カメルーンの海岸に近い西部低地から、コンゴ民主共和国(旧ザイール)およびウガンダの中央高地の高度3000mあたりまでの、赤道アフリカの森林に生息している。地理的な分布にしたがって、ウェスタンローランドゴリラ、イースタンローランドゴリラ、いちばん毛の長いマウンテンゴリラの3亜種がある。
オスのゴリラは、自然の生育環境のもとでは頭胴長1.6m、体重180kgに達する。飼育下では頭胴長が数センチ高く、体重も少し重くなる。メスは、頭胴長がオスよりも30cmほど低く、体重はオスの半分ほどである。 皮膚の色は黒で、かたい毛は黒に近く、年をとるにつれてオスの背中は灰色になる。そのためシルバーバックともよばれる。鼻づらは短く、毛が生えていない。鼻はひらべったく、鼻孔が横にひろがっている。顎(あご)はがっしりしている。目と耳は小さく、眼窩上隆起(がんかじょうりゅうき)がつきでている。脳頭蓋はヒトより小さい。 ゴリラの骨格はヒトの骨格と似ているが、骨が太く、腕が長く、足が短い。S字型の脊柱湾曲(せきちゅうわんきょく:→ ヒト)がないので直立姿勢をたもつことができない。そのため、木の枝やほかの物につかまりながら直立して2本足で短距離をあるくことはよくあるが、体重の一部をささえるために拳を地面につけて、腰をかがめた姿勢で歩きまわることのほうが多い(→ 直立二足歩行)。
アメリカの動物学者ジョージ・シャラーが数年間にわたってゴリラを観察し、その草分け的研究の成果である「マウンテンゴリラ」(1963)が出版されるまで、野生のゴリラの生活はほとんど知られていなかった。その後、同じくアメリカの動物学者フォッシーは、1963年から研究に着手し、85年に没するまでの間、カリソケ・リサーチセンターでマウンテンゴリラとともにくらしながら研究をおこなった。センターは、フォッシーが67年にルワンダに設立したものである。
一般に考えられているのとは反対に、ゴリラは内気でやさしい性質の動物であり、5~10頭のグループで生活する。典型的なグループは、1頭のシルバーバックにひきいられ、その下位に1頭または2頭のオス、数頭の大人のメス、そして子で構成されている。わかいオスのほとんどは、成長するともとのグループをおいだされ、オスだけのグループを構成するか、つかずはなれずの状態でほかのグループと行動をともにするようになる。 ほかのオスにリーダーの座をうばわれたシルバーバックは、グループをはなれ、単独生活をおくる。 昼間は水分の多い植物や果実、木の葉などの食料をさがして、ほとんどの時間を地上ですごし、毎晩、その夜限りの寝床をつくる。メスやわかいゴリラは木にのぼり、小枝と葉でつくった寝床でねることもあるが、年をとったオスは木の根元のかわいた草の上で休息する。 異変をつたえたり警告するときには、フーッという声を発する。オスのリーダーがこの声をだすと、グループ全体がすぐに注意をむける。そのほかにも、規律を守るよう促す鋭い叫び声や、喜びを表現する低いうなり声などがある。 どのゴリラも自分の胸をたたくことがあるが、オスの場合、この行動は自分の力を誇示したり相手を威嚇(いかく)したりする意味がある。ゴリラに天敵はいないが、侵入者に対してはメスや子供たちが安全な場所ににげるまでリーダーのオスがたちむかう。相手がにげようとするとおいかけて殺すが、じっとしている相手をおそうことはない。 ゴリラの性周期はヒトと同じである。メスは約28日周期で月経があり、繁殖期はとくにない。9カ月の妊娠期間のあと、1頭、まれに2頭の子をうむ。子は生後1年ほどは乳をのむ。11~12歳で成熟する。野生状態ではゴリラの寿命は30年ほどと考えられている。
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