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  • 東南アジア - Wikipedia

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東南アジア

東南アジア とうなんアジア Southeast Asia
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

ユーラシア大陸の東南方に位置する、フィリピンブルネイマレーシアインドネシアシンガポールベトナムラオスカンボジアタイミャンマー(ビルマ)、東ティモールの11カ国からなる地域。ほとんどが熱帯の湿潤地帯であり、稲作、漁労を基盤とする文化をもつ。かつては、フィリピンはアメリカの、ブルネイとマレーシアとシンガポールとビルマはイギリスの、ベトナムとラオスとカンボジアはフランスの、インドネシアはオランダの、東ティモールはポルトガルの、それぞれ植民地であり、タイだけが独立しているにすぎなかった。

1945~54年にそれぞれ独立をはたし、以後、マレーシアとシンガポールの分離(1965)、第2次インドシナ戦争(1960~75。ベトナム戦争)、第3次インドシナ戦争(1979~89)、インドネシアによる東ティモールの併合(1976)などの諸事件をへて、国境が確定した。67年にタイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシアの5カ国が結成したASEAN(東南アジア諸国連合)は、90年代に入ってから急速な経済成長に成功した。以後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマーが参加し、99年のカンボジアの加盟実現で東南アジア10カ国が参加するASEAN10に成長。独立紛争のたえなかった東ティモールは2002年に独立をはたした。

II

自然

東南アジアの全陸地面積は、449万km²、日本の約12倍、中国の47%である。しかし、人口は5億4830万人(2002年推計)で、日本の約4.3倍、中国の43%、人口密度は1km²当たり約122人である。全地域が湿潤熱帯であるために、豊かな自然が広がっている。

東南アジアは大きく南の島嶼(とうしょ)部と北の大陸部にわけられる。東南アジア島嶼部は、数万の島が密集する世界最大の多島海であると同時に、世界第3位の面積をもつ島カリマンタン島(ボルネオ島)、第6位のスマトラ島、第9位のスラウェシ島、第11位のジャワ島など、世界の巨大島があつまっている海域である。東南アジア島嶼は、スマトラ、カリマンタンなどの熱帯雨林、ジャワ以東の熱帯サバナにわけられ、熱帯多雨林は、季節を問わず高温湿潤で植物の天国であり、ゴム、アブラヤシ、コーヒー、コショウ(胡椒)などの熱帯の産物が、また乾季と雨季をもつ熱帯サバナでは各種の香辛料や、サトウキビ、稲がつくられ、重要な国際商品になっている。

大陸部は大きく熱帯サバナデルタ、熱帯サバナ平原、亜熱帯性山地からなる。大陸部東南アジアには西からイラワディ川サルウィン川チャオプラヤ川メコン川ホン川(ソンコイ川、紅河)の5本の大河が南北にながれているが、このうち、イラワディ、チャオプラヤ、メコンがそれぞれ熱帯サバナデルタを下流につくっている。この三大デルタでは19世紀後半以降、稲作が発達し、世界の穀倉となっている。熱帯サバナデルタの北方には、サバナ平原が広がっている。乾季と雨季の差がはげしく、雨季にだけ緑となる雨緑林地帯で、もっぱら天水を水稲栽培に利用する天水田や畑作地が広がり、農業生産はおとり、貧困地帯を形成している。大陸北の山地はカシなど照葉樹林が山地をおおっている。斜面には焼畑、盆地には灌漑(かんがい)水田がみられる。

III

民族、言語、宗教

1

ネグリト

東南アジアの最古層の民族は、ネグリトとよばれる体形の小さい山地の狩猟採集民で、現在はルソン島南部山地、マレー半島山地の一部に居住し、急速に平地民に同化しつつある。

2

南アジア諸語系民族

東南アジアの古層の大民族は南アジア諸語(オーストロアジア語族)と南島諸語(オーストロネシア語族)の人々と思われる。南アジア語はモン・クメール語系ともよばれる。

ベトナムの主要民族ベトナム人は紀元前1000年にはホン川デルタに稲作を導入して居住していたが、10世紀に国家形成をはたし、南方に進出し、16世紀までには中部ベトナム、18世紀までにメコンデルタに進出し、現在ではベトナム領全域に拡大している。もともとは、高床式住居、巻きスカート型衣服であったが、中国文化の影響を強くうけ、土間式住居、ズボン型衣服をもちいている。宗教面では中国系大乗仏教と、伝統的な祖先崇拝、精霊崇拝をともに信仰しているものが多い。19世紀以来、フランスの影響下でカトリックが導入された。20世紀に入ってからは、南部を中心に仏教、儒教、キリスト教、道教の混合宗教であるカオダイ教、新仏教ホアハオ教など新興宗教が生まれている。

クメール人はカンボジアの主要民族である。9世紀から13世紀にかけて、アンコール地域にヒンドゥー教を主体とするアンコール文明を建設したことで知られる(アンコール朝アンコール・ワット)。高床式の住居にすみ、水稲農業に従事し、多くは上座部仏教(小乗仏教)を信仰する。また現在、タイ中部やビルマ南部にすむモン族は、古くから仏教をとりいれ、7~11世紀にはタイ中部にドバーラバティ王国を、またビルマ南部には13世紀から16世紀までペグー王国を建設して、インド文明を東南アジアに紹介した。また中部ベトナムやラオス山地の焼畑民には南アジア語系が多い。

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