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宗教的な歌詞をもつ声楽曲で中世からつづく楽曲形式。12世紀に発生し、ローマ・カトリック教会(→ カトリック教会)の礼拝とむすびついて発展したが、その形態は時代によってかなりの違いがある。
13世紀の作曲家は、しばしばグレゴリオ聖歌の旋律の一部をとりだし、音の長さを長くしたり、別の声部をつけくわえたりして装飾した。こうして構成された楽曲はクラウスラとよばれ、オリジナルのグレゴリオ聖歌の間にはさんで演奏された。クラウスラには、聖歌の歌詞の一部分である1~2語または1~2音節しか使用されないため、全声部で同じ言葉がつかわれた。その後、ほとんど正常な歌詞がなかったクラウスラの上声部に別の歌詞がつけられるようになり、これをモテットとよんだ。フランス語で言葉を意味する「mot」が、モテットの語源と考えられている。
1250年ころから、上声部は、モテットとして作曲されるようになり、やがて楽曲全体をこの名でよぶようになった。13世紀のモテットの特徴は、低声部にグレゴリオ聖歌を部分的にもちいる点と、複数の歌詞が同時にうたわれる点にある。2声部または3声部の上声部は、それぞれことなる歌詞をもち、ときにはラテン語とフランス語というように言語がことなる場合もあった。 13~14世紀のモテットは、モテトゥスとよばれることもある。
14世紀にはいるとモテットの構造はかなり複雑になり、同じリズムをくりかえすアイソリズムの技法をもちいたり、一定の定型リズムを通常はテノールの声部で反復するようになる。15世紀初頭には軽妙で旋律的な様式に発展するものの、人気はおとろえる。ふたたび人気を回復するのは1450年以降で、当時の主要な作曲手段となる。15世紀、16世紀のモテットは、一般的に1つの歌詞をつかった合唱曲のことをいう。
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