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無線信号を反射あるいは中継して、遠距離の通信をおこなうために地球上空の周回軌道をまわっている人工衛星。
初期の通信衛星は、地上局からおくられた電波を反射するだけで、受信電波の増幅や送信はしない受動衛星だった。最近の衛星通信では電波を送受信する装置(トランスポンダー)を搭載している能動衛星のみが使用されるようになった。 能動通信衛星第1号のスコアはアメリカが1958年にうちあげた。スコアには地上の送信局の上空を通過中に受信したメッセージを記録するために、テープレコーダーが搭載された。記録されたメッセージは衛星が受信局の上空を通過中に再送信される。 1962年にアメリカ電話電信会社(AT&T)がうちあげたテルスター1号はアメリカ、ヨーロッパ、日本にテレビ電波を直接おくったり、数百の電話回線を中継した。
静止軌道上の衛星は、赤道上空3万5800kmの円軌道を、地球の自転周期と同じ24時間でまわっている。移動方向も同じであるため、地球からみると、赤道上空の同じところに静止している状態となるので、見通し線上の地球局間でつねに安定した通信ができる。 1963年にNASA(アメリカ航空宇宙局)がうちあげたシンコム2号は、静止軌道にのった最初の通信衛星である。その後は、大半の衛星が静止軌道上に、うちあげられるようになった。 多数の通信衛星がうちあげられると、たった1つしかない静止軌道上にそれぞれ位置を確保するのは、将来、ひじょうに困難になるだろう。
1963年に衛星通信事業をおこなうアメリカの民間会社コミュニケーションズサテライト社(コムサット:COMSAT)が設立されて以来、通信衛星の打ちあげと運用は商業ベースでおこなわれるようになった。翌64年にインテルサット(INTELSAT:国際電気通信衛星機構)が発足した際、コムサットはアメリカから加入している。ワシントンD.C.に本部をおくインテルサットは120カ国以上の出資によってささえられている。 1965年にうちあげられたインテルサット1号「アーリーバード」は、アメリカ・ヨーロッパ間に音声2400回線または双方向のテレビ1チャンネルを提供した。60年代から70年代にかけて開発されたインテルサットの第2、第3、第4世代では、メッセージの容量および送信能力がいちじるしく向上した。 インテルサットは1990年代初頭までに15の通信衛星をうちあげ、世界1の大規模な通信網を構築した。インテルサットと競合する国際通信サービス事業者はほかにもあり、自由競争を制限する規制は97年までに撤廃される見込みである。
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