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項目構成
精米した米、白米には約25%の糖質、少量のヨード、鉄、マグネシウム、リン、および微量のタンパク質と脂肪がふくまれる。そして、米糠にはタンパク質、ビタミンB複合体、ビタミンEおよびビタミンKがふくまれている(→ ビタミン)。そのため、栄養価の高い米糠をとりのぞいた白米は、栄養的にはおとった食物といえ、白米食は脚気などの疾患の原因となる。近年、米糠の栄養価が認識され、米糠をとりのぞかない玄米の消費量が多少のびてきている。 日本をはじめ東アジアでは米からデンプンを抽出し、発酵させて酒(→ アルコール飲料:日本酒)をつくる。ほかの穀物とことなり、米はパンには加工されない。粒のまま、炊(た)いて食べるのがふつうで、慣習によっては味付けして食べる。米はふつう家畜の飼料にはもちいられないが、米作地帯では米糠などが、利用されることもある。→ アルファ化米
イネ(アジアイネ)には日本型(japonica:ジャポニカ種)とインド型(indica:インディカ種)とがある。日本型のイネは籾(もみ)の長さと幅の比がインド型にくらべて小さく、丸みをおびていて、表面に毛が多い。玄米の質は軟らかで、アルカリ溶液にとけやすい。精白した米は飯にすると粘りが強く、味は比較的濃厚である。これに対してインド型は籾が細長く、毛も少なくて、玄米はアルカリ溶液にとけにくい。飯にしても粘りが少なく、味は淡泊である。 日本型のイネは温帯地方、あるいは熱帯でも標高の高い所で栽培されており、日本をはじめ、朝鮮半島、台湾、中国大陸の長江(揚子江)以北の平坦地、タイ、インドシナの北部山岳地帯などで栽培されている。これに対して、インド型のイネは中国の長江以南、東南・南アジア各国の平坦地、南アメリカなど熱帯の主要米産国で栽培されている。したがって、世界全体ではインド型のイネの栽培面積および生産量は、日本型のイネにくらべてはるかに大きい。 2002年4月、欧米と中国の研究グループがそれぞれ、日本型とインド型のイネの全遺伝情報(ゲノム)をほぼ解読することに成功し、アメリカの科学誌「サイエンス」に発表した。それによると、日本型のゲノムは約4億2000万の塩基対からなり、その中に遺伝子は3万2000~5万個ふくまれると推定され、またインド型のゲノムは約4億6600万の塩基対からなり、遺伝子はその中に4万6022~5万5615個ふくまれると推定されている。これらのくわしい解読データはインターネットなどを通じて世界じゅうの研究者に提供されるので、今後、ゲノムをもとにした遺伝子組み換え技術で優良品種が次々と誕生すると考えられている。
イネは変異が多く、世界で広く栽培されているので、栽培方法や栽培時期によってさまざまな区分がされている。 水稲(すいとう)と陸稲(りくとう:おかぼ)は栽培方法によるもので、灌漑水をもちいたり、水をたたえた耕地に栽培するイネを水稲、畑地で栽培するイネを陸稲とよぶ。 また、栽培時期によって、インドやビルマでは雨季に栽培する晩生種はアマンaman(冬米)、早生種はアウスaus(秋米)、乾季に栽培するイネはボロboro(夏米)とよばれている。これらはいずれも栽培環境の違いによって生まれた、イネの生態型である。
イネ(アジアイネ)の起源地については東南アジア低湿地説にかわり、近年はアッサム・ヒマラヤ・雲南地方の高緯度地帯とみる説が有力になっていた。しかし最近、中国湖南省の彭頭山遺跡(ほうとうざんいせき)から、野生種から栽培種への過程をしめす籾痕(もみあと)のある約9000年前の土器がみつかった。さらに、1997年に同省の長江中流域からインディカ種でもジャポニカ種でもない栽培イネ1万2000粒が発掘されるなど、長江流域説が急浮上している。
日本列島にも栽培イネが長江下流域の江南地方からつたわったが、そのルートには4つの説がある。 第1は陸路で朝鮮半島に入り、玄界灘をわたって北九州へ、第2は山東半島から黄海をわたって朝鮮半島に入り玄界灘をへて北九州へ、第3は江南から東シナ海をへて朝鮮半島に入り、さらに玄界灘をわたって北九州へ、第4は江南から島伝いに沖縄・奄美諸島をへて九州へという説である。このとき日本に入ったのはジャポニカ種だが、今後、朝鮮半島の考古学調査などで同種のイネが発見されれば、ルート問題は解決される可能性がある。
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