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    化学 (かがく、Chemistry)とは、 原子 ・ 分子 を 物質 の構成要素と考え、物質の構造・性質・反応を研究する 自然科学 の一分野である。日本では幕末から明治初期にかけては セイミ (舎密)と呼ばれた。また、 日本語 では 同音異義 の「 科学 」(science ...

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化学

化学 かがく Chemistry
百科事典項目
項目構成
V

フロギストン説と実験

自然哲学者たちが、数学的法則についての思索をおこなういっぽうで、実験室で研究していた初期の化学者たちは、化学の理論を化学反応を説明するために利用しようとつとめていた。

医化学者たちは、硫黄とパラケルススの理論に、特別の関心をよせた。17世紀の後半になると、ドイツの医者、経済学者、化学者であったヨハン・ベアキム・ベッヒャーが、この原理に関する化学体系をうちたてた。彼は、有機物が燃えると燃焼物質から揮発性の物質が放出されるようだとしるしている。彼の弟子であったゲオルク・エルンスト・シュタールが、これを、その後ほぼ1世紀にわたって化学界に生きのこる理論の中核にまでしあげた。

1

物質の循環

シュタールは、物質がもえると可燃性の要素が空気中にでていくと仮定した。この要素はギリシャ語の炎にちなんでフロギストンとよばれた。金属がさびるのも、燃焼と似た現象で、やはりフロギストンがうしなわれる。植物は、空気中からフロギストンを吸収するため、フロギストンにとんでいる。金属灰(金属酸化物)を木炭とともに加熱すると金属灰がフロギストンをとりもどす。このことから、金属灰は元素であり、金属は、化合物であると考えられた。

この理論は、現代の酸化・還元(化学反応)の概念とほとんど正反対の関係になっている。しかしこの理論には、向きが逆ではあるものの、物質の循環という考えがふくまれており、観測された現象のうちのあるものは、この理論で説明することができる。しかし、当時の化学文献についての最近の研究によると、18世紀末にフランスの裕福なアマチュア化学者アントワーヌ・ローラン・ラボワジェによって批判されるまで、フロギストン説の化学者に対する影響は、ほんのわずかなものでしかなかったようである。

2

18世紀

これとほぼ同じころおこなわれたもうひとつの観測が、化学の理解に進展をもたらした。化学薬品の研究がすすむにともなって、化学者たちは、ある物質がほかの物質とくらべて、ある化学薬品とよりたやすく結合する、つまりより大きな親和力をもっているということに気づいた。さまざまな化学薬品に対する、相対的な親和力について、詳細な表が作成された。この表を利用することによって、実験室で実験をおこなう前に、多くの化学反応についての予測ができるようになった。

これらの発展によって、18世紀には新しい金属や化合物、化学反応が発見された。定性分析法および定量分析法の開発がはじまり、分析化学が誕生した。それでもなお、気体が物理的性質しかもっていないと考えられているかぎり、化学の全体像を認識することはできなかった。

2 A

気体の化学的研究

イギリスの生理学者ステファン・ヘールズが、さまざまな固体をとじた系の中で熱したときに、発生する気体をあつめ、その体積を測定するための水上捕集法を開発して以来、気体の化学的研究は、重要になった。この水上捕集装置は、空気のまじっていない気体をあつめて研究するのにかかせないものとなった。気体の研究は急速に進展し、さまざまな気体の理解は新しい段階をむかえた。

化学における気体の役割を最初に理解したのはイギリスのジョセフ・ブラックで、彼は炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムの反応に関する研究を、1756年にエディンバラで出版した。これらの化合物を熱すると気体が放出され、あとに苦土(酸化マグネシウム)や生石灰(炭酸マグネシウム)がのこる。あとにのこった物質は、アルカリ(炭酸ナトリウム。酸と塩基)と反応してもとの塩が生成される。

こうして気体の炭酸ガス(ブラックはこの気体を「固定空気」とよんだ)が化学反応に関与している(彼は「固定された」と表現した)ことが発見された。気体は、化学反応に関与しないという考え方はうちすてられ、その後、新しく発見された多くの気体はそれぞれ別個の物質であると認識されるようになった。

2 B

脱フロギストン空気

この10年後、イギリスの物理学者ヘンリー・キャベンディシュが「可燃性気体」(水素)を単離した。また彼は、気体を捕集するための液体として、水のかわりに水銀を利用し、水にとける気体をあつめることを可能にした。イギリスの化学者で神学者のジョセフ・プリーストリーはこの方法を改良して1ダースに近い新たな気体を発見し、その研究をおこなった。

プリーストリーのもっとも重要な発見は酸素の発見であった。彼はすぐ、この気体が空気にふくまれる成分であり、これが燃焼をおこし、また動物の呼吸を可能にしているものであると気づいた。

しかし彼は、この気体中で可燃性物質がよりはげしくもえ、金属がより容易に金属灰になるのは、この気体がフロギストンをもっていないからだと説明した。つまり、この気体は、すでに部分的にフロギストンによってみたされている通常の空気よりも容易に、可燃性物質や金属中にふくまれているフロギストンをうけとることができると考えた。彼は、この新しい気体を、「脱フロギストン空気」と名づけ、その生涯をとじるまでフロギストン説を擁護した。

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