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項目構成
この間、1943年春には、ニューメキシコ州のロスアラモスに原子爆弾の設計・製造のための研究所(ロスアラモス国立研究所)がつくられ、オッペンハイマーを所長にむかえている。生産されたウラン235とプルトニウム239は、45年ここにあつめられ、ただちに核兵器の製造がはじまった。こうして製造された史上初の原子爆弾は45年7月16日、ニューメキシコ州アラモゴードにもうけられた鉄塔上で爆裂した。その威力は、TNT爆薬(→ 爆発物)19ktに相当した。7月25日、トルーマン大統領は日本への原爆投下の命令をくだし、8月6日広島上空で「リトルボーイ」(ウラン235型爆弾)が、同月9日、長崎上空で「ファットマン」(プルトニウム239型爆弾)が投下されるにいたった。
核分裂兵器用の素材には、おもにウラン235(→ ウラン)とプルトニウム239(→ プルトニウム)が共用されている。ウラン235は、天然ウランから分離する方法がとられているが、天然ウランの中にウラン235は、0.7%しかふくまれておらず、残り99.3%は重いウラン238で、化学構造の近似した両者の分離は容易ではない。そこで、両原子のわずかな重量の差を利用して、分離がおこなわれる。 また、プルトニウム239は、ウラン238からつくられる。ウラン238は、原子核が中性子の衝撃をうけると、より重いウラン239に変化し、これがベータ崩壊(→ 放射能)してネプツニウム239になる。このネプツニウム239がプルトニウム239に変質する。
これらの核分裂物質(ウラン235やプルトニウム239)の原子核が中性子の作用によりほぼ同じ大きさの2つの原子核に分割されることを核分裂という。このとき放出される2~3個の中性子はさらに次の核分裂をひきおこすことができる。このようにして原理的には、1個の中性子が核分裂の連鎖反応の引き金となり、瞬時(100万分の1秒)のうちに多くの核分裂がおこるとともに大量のエネルギーが放出される。
核分裂兵器が兵器としての破壊力をもつには、この連鎖反応が維持されなければならないが、放出された中性子がすべて核分裂に作用するわけではなく、一部は系外ににげだしたり、別の核反応に消費されたりする。中性子が不足すると核分裂の連鎖反応は不能となる。たとえば、ウラン235の場合、ゴルフボールほどの大きさでは、多くの中性子が表面からにげだし、周囲からの補充でもたりず連鎖反応をつづける能力がうしなわれる。これに対し、野球ボール程度の大きさのウラン235となると、多くの中性子がうしなわれても、球体の別の部分からの補充により、連鎖反応を持続できる。このような、連鎖反応の継続に必要な最小限の核分裂物質の量を臨界量という。 実際の臨界量は、核分裂物質の種類や純度、形状、圧縮度などによってきまる。また、核分裂物質を中性子反射体でかこみ、事前の中性子の逃げを少なくするなど、中性子の消失をふせぐことにより、臨界量を小さくすることができる。 なお、核兵器の威力は、核分裂兵器も次にのべる核融合兵器もともに、その核爆発で放出されるエネルギーと同量の爆発エネルギーを放出するTNT爆薬の量で実現される。たとえば、20ktの核兵器は、TNT爆薬2万tが発生させるエネルギーと同量のエネルギーを発散させる。
核分裂にかわり、水素などの軽い元素の原子核が融合する際に放出されるエネルギーを利用した兵器が水爆である。水素の同位体である重水素(ジュウテリウム)と三重水素(トリチウム)の原子核が核融合反応でヘリウム原子核になる際に大量のエネルギーを放出する。核融合エネルギーの放出量は、核分裂の場合よりも少ないが、同量の物質にふくまれている原子の量は多い。それゆえ、水素同位体0.5kgの核融合による放射エネルギーは、TNT爆薬換算で29ktにおよび、同量のウランの場合の約3倍にあたる。 核融合反応は、超高温によってひきおこされるため、熱核融合反応ともよばれるが、現在のところ地球上でこのような超高温度を発生させる手段は、核分裂反応による以外にない。そのため、核融合兵器(水爆)は、自動的に核分裂兵器(原爆)を内蔵させることになる。つまり、水爆の引き金として原爆がもちいられるということであり、原爆の開発がなければ、水爆の実現も不可能であったということでもある。
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