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オペラ

オペラ Opera
百科事典項目
項目構成
4

ロシア

ロシア・オペラは国民楽派とともに成長し、ミハイル・グリンカの「皇帝に捧げた命」(1836)、アレクサンドル・ボロディンの「イーゴリ公」(没後の1890年初演)、リムスキー・コルサコフの「金鶏」(1909)などを生んだ。なかでも、傑作とされるのはムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」(1874)である。チャイコフスキーも「エフゲーニー・オネーギン」(1879)、「スペードの女王」(1890)などの作品をのこしている。

VII

19世紀後半~20世紀初頭まで

1

フランス

フランスの作曲家ビゼーによる「カルメン」(1875)は、ドイツの哲学者ニーチェによれば、「ワーグナー的観念主義の霧」を地中海の光で晴らした作品とされる。19世紀にオペラ・コミックは、悲劇的・喜劇的を問わず、対話部分がうたわれずに話されるフランスのオペラをさすようになっていたが、その代表作として、この作品はカルメンという魅力的な人物を生みだし、オペラのジャンルに新しい写実的な感覚をあたえた。しかし、ビゼーは36歳の若さでなくなり、作曲家としての経歴をまっとうすることはなかった。

19世紀後半に活躍した作曲家ジュール・マスネーは、「マノン」(1884)(マノン・レスコー)、「ウェルテル」(1892)(若きウェルテルの悩み)、「タイース」(1894)などの、センチメンタルだが舞台ばえのする作品をのこした。この時代を代表するほかの作品には、アンブロアズ・トーマの「ミニョン」(1866)、レオ・ドリーブの「ラクメ」(1883)、サン・サーンスの「サムソンとデリラ」(1877)、オペラ・ブッファの名手であったオッフェンバックの「ホフマン物語」(没後の1881年初演)などがある。

20世紀への移行期には、パリの労働者階級を写実的にあつかったギュスターブ・シャルパンティエの「ルイーズ」(1900)が登場し、また印象派のテクニックを音楽に応用し、フランス語の音の陰影をそのまま歌にうつしとったドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」(1902)が生まれた。

2

イタリア

イタリア・オペラにおける写実主義は、イタリア語で「真実」を意味するベリズモの名でよばれ、代表作にピエトロ・マスカーニの「カバレリア・ルスティカーナ」(1890)と、ルッジェロ・レオンカバロの「道化師」(1892)がある。前者は、陽光まぶしい南イタリアの村を舞台とする情熱と殺人のメロドラマである。

ベルディの後継者プッチーニは、豊かなメロディをほこり、感情がほとばしるような「マノン・レスコー」(1893)や、「ラ・ボエーム」(1896)、「トスカ」(1900)、「蝶々夫人」(1904)、未完の「トゥーランドット」(没後の1926年初演)などをのこした。ベルディ以降に成功したイタリア・オペラには、アミルカーレ・ポンキエリの「ラ・ジョコンダ」(1876)、ウンベルト・ジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」(1896)、アルフレード・カタラーニの「ラ・ワリー」(1892)などがある。

3

ドイツ

ドイツでは、童話をオペラ化したエンゲルベルト・フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」(1893)をはじめ、あらゆるオペラにワーグナーの影響が色こくのこった。代表的な作曲家リヒャルト・シュトラウスは、ワーグナー的な大編成のオーケストラと声楽のテクニックをもちいた「サロメ」(1905)、「エレクトラ」(1909)などのセンセーショナルな短い作品を書き、なかでも喜劇「ばらの騎士」(1911)が成功をおさめた。ほかにも「ナクソス島のアリアドネ」(1912)、「影のない女」(1919)、「アラベラ」(1933)などがある。

4

その他のヨーロッパ諸国

中央ヨーロッパ出身の作曲家が生んだ民族色豊かな作品には、チェコのスメタナによる「売られた花嫁」(1866)、ドボルザークの「ルサルカ」(1901)、ヤナーチェクの「イェヌーファ」(1904)、「マクロプロス家の秘伝」(1926)、ハンガリーのコダーイによる「ハーリ・ヤーノシュ」(1926)、バルトークの「青ひげ公の城」(1918)などがある。

無調音楽と12音技法で知られるシェーンベルクには未完の「モーゼとアロン」(没後の1957年初演)があり、その弟子ベルクには「ウォツェック」(1925)と未完の「ルル」(没後の1937年初演、補筆による全曲の初演は79年)がある。そこではシュプレヒシュティンメ(語る声)、あるいはシュプレヒザング(語る歌)とよばれる歌と語りの中間の発声がもちいられている。一兵士の悪夢のような堕落をえがく「ウォツェック」は、ゲオルグ・ビュヒナーの同名の戯曲(1836)を原作としたもので、初演後まもなく近代を代表するオペラとされるようになった。

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