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  • ビッグバン - Wikipedia

    ビッグバン (Big Bang) は、 宇宙 の成立に関する 仮説 ( 理論 )のひとつである「 ビッグバン理論 」( ビッグバン仮説 )において想定されている、宇宙の最初期の状態、とてつもなく高い 密度 と 温度 の状態のこと。

  • 宇宙はどこまでわかっているか(ビッグバン理論)

    このビッグバン理論は宇宙論の正統派理論と考えられています。 そして宇宙進化のシナリオは詳しくは言いませんが、次のように描けます。宇宙が始まったのは10のマイナス44乗秒という、とても短い時間ですが、その時代に宇宙が生まれました。

  • ビッグバン理論

    ビッグバン理論の要諦は、さまざまな元素が合成されるプロセスの分析にある。膨張が始まろうとする最初期に、宇宙は、きわめて高温・高密度の状態にあったと考えられる(ガモフはこの状態を原爆による火球になぞらえたのだが、ビッグバンの場合は ...

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ビッグバン理論

ビッグバン理論 ビッグバンりろん Big Bang Theory
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

宇宙の始まりについての理論。この理論によると、宇宙はかつて超高温で高密度のきわめて小さな1つの塊であったとされる。そして、この宇宙がビッグバンとよばれる全宇宙規模の大爆発によって、およそ137億年前に生まれ、それ以来宇宙は膨張しつづけ、また冷えつづけているというのである。

この理論の根拠となっているのは、1916年にアルバート・アインシュタインによって発表された一般相対性理論(相対性理論)の「重力場の方程式」である。22年、ロシアの物理学者アレクサンドル・フリードマンが、「重力場の方程式」に1組の解をあたえ、そして今日では、ビッグバンについての理論的研究の多くがこの解を枠組みとするようになった。

また、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、1929年に遠方の銀河からくる光のスペクトルがすべてスペクトルの赤いほうにむかってずれている、つまり赤方偏移していることを発見した。これがやがて登場するビッグバン理論に大きな実証的根拠をあたえることになる。ハッブルの発見は銀河がおたがいに遠ざかっていることをしめすとともに、遠くにある銀河ほどはやい速度で遠ざかること、すなわち宇宙が規則ただしく膨張していることをしめしたのである。しかしなお、宇宙の始まりの状態については、よくわからなかった。→宇宙の「宇宙の膨張」:宇宙論の「ハッブルの法則」

そして1946年、ロシア生まれのアメリカの物理学者ジョージ・ガモフが、宇宙は高温高密度の状態から膨張しはじめたというフリードマンの解に適合するひとつの理論を完成した。この理論に相反する「定常宇宙論」を主張するイギリスの天文学者フレッド・ホイルは、50年、ガモフの理論を「ビッグバン」(大爆発)と軽くよびすてたが、やがてこの呼び名が定着してしまう。90年代には、アメリカの一般向け天文雑誌がもう少しましな、権威ある名称をコンテストで募集したが、いい名称は生まれなかった。→宇宙論の「定常宇宙論」

II

歴史

ビッグバン理論の全体的な枠組みが、アインシュタインの一般相対性理論における重力場の方程式の解から決まることはかわらないにしても、この理論の細部の多くは、今日でもなお修正されつづけている。アインシュタイン自身ははじめ、宇宙は静的で変化のないものと信じていた。彼の方程式からみちびかれる宇宙は、膨張するか収縮するかのどちらかしかないと考えられたとき、アインシュタインは宇宙の膨張や収縮をうちけすため、方程式に定数項をつけくわえた。のちに宇宙の膨張が観測されると、アインシュタインはこの「宇宙項」を方程式にくわえたのは失敗だったとかたった。

1916年にアインシュタインの論文が発表された後、ベルギーのアベ・ジョルジュ・ルメートル、オランダのウィレム・デ・シッター、ロシアのアレクサンドル・フリードマンたちが、それぞれ独自にアインシュタインの重力場の方程式の解をみいだすことに成功した。それぞれのちがった解でえがきだされる宇宙は様相がことなっている。デ・シッターの宇宙モデルでは、物質は宇宙の中に存在しない。しかし、宇宙の平均密度が極端に小さいことを考えると、このモデルはさほど的はずれではない。ルメートルの宇宙は「原初の原子」から膨張をはじめる。フリードマンの宇宙は同じように超高密度の物質の塊から膨張するが、宇宙項をふくんでいない。これらの宇宙モデルは誕生の少し後からの宇宙を説明するが、宇宙誕生の瞬間についてはまだ満足のいく説明をあたえていない。

1940年代ジョージ・ガモフは、彼の学生であったラルフ・アルファーとロバート・ハーマンとともに、アインシュタイン理論のフリードマン解について詳細な研究をおこなっていた。この研究から生みだされたものは、宇宙が膨張をはじめた原初の物質は、彼らがイーム(ylem)と名づけた陽子中性子電子の放射の海の中でまじりあっているものだというアイデアであった。彼らはビッグバンのとき、すなわちその原初の状態から爆発的に膨張をはじめたとき、宇宙はきわめて高温であったという理論をつくった。アルファーとハーマンは、ビッグバンの名残の放射がまだ存在しているにちがいないと予言した。ガモフのチームが予言した温度にほぼ一致する宇宙背景放射が検出されたのは60年代で、ビッグバン理論をよりいっそう強くささえる証拠となったが、彼らの研究はそのころにはわすれさられていた。

III

理論

ビッグバン理論は宇宙の始まりのとき、あるいはそのすぐ後に何がおこったかをさがしもとめるものである。現在ではビッグバン直後の10-43秒までさかのぼった宇宙モデルがあるが、この時点より以前は重力の古典的理論は適用できない。そこで科学者たちは量子論と重力理論を合体させた理論をさがしもとめてはいるが、今のところまだみいだされていない。量子論と重力理論をむすびつけて、よりビッグバンに近い時点まで時間をさかのぼることを可能にするため、超弦理論に期待をかけている科学者も多い。

ビッグバンの時点まで時間をさかのぼることができない以上は、ビッグバンそのものが本当はどのようにしておこったかを知ることはできない。つまり、現在のところ宇宙の始まりを検出することはできないのだ。そのうえ、ビッグバン理論はビッグバンの前に何があったかということを説明することはできない。いいかえれば、時間そのものがビッグバンによって生まれたのだから、ビッグバン「以前」に何があったかと議論することは、なんの意味もないことなのである。

ビッグバン理論によれば、宇宙はその最初の数マイクロ秒(マイクロ秒は100万分の1秒)のうちに急速に膨張した。宇宙の始まりのときにはただ1つの力しか存在していなかったが、宇宙が膨張して冷えていくにしたがって、この1つの力はわれわれが現在知っている4つの力に分離した(相互作用)。それは、重力、電磁気力、強い力、弱い力である。現在では電弱統一理論とよばれる理論で、電磁気力と弱い力が統一的に説明されている(統一場理論)。物理学者たちは現在、強い力もあわせて説明できる大統一理論をさがしもとめている。また、超弦理論はこれら3つの力と重力とを統一することを目標にしている。

また、ビッグバン直後の100万分の1秒までの、1億°Cをこえる超高温、超高密度の環境ではクォークでさえもばらばらのクォーク・グルーオン・プラズマという状態だったと考えられており、この状態を再現しようという実験もおこなわれている。それは、誕生直後の宇宙の姿をさぐったり、クォークの研究にも役だつと考えられているためで、2000年からはアメリカのブルックヘブン国立研究所で、日本も参加する国際チームにより実験・研究がおこなわれている。02年7月には、01年の実験データの解析により、クォークどうしの結合が阻害される現象と、うごいているクォークがエネルギーをうしなう現象が確認されたと報告された。これらの現象はプラズマ状態を想定すれば説明できることから、研究者の注目をあつめている。

ビッグバン理論のうち広くうけいれられているもののひとつが、インフレーションというアイデアをふくむものである。このモデルでは、宇宙は最初にもっと急速に膨張する。すなわち最初の10-32秒のうちに宇宙は初めの大きさのほぼ10100倍もの大きさに膨張し、その後、膨張はゆっくりとなった。この理論は、1980年代に日本の宇宙論学者佐藤勝彦とアメリカのアラン・グースによってそれぞれ独自に提案され、アメリカの天文学者ポール・シュタインハート、ロシア生まれのアメリカの科学者アンドレイ・リンデ、イギリスの天文学者アンドレアス・アルブレヒトなどが精力的にきずきあげた。このインフレーション理論は、宇宙論の多くの問題を解決した。たとえば、現在の宇宙がユークリッド幾何学(平面幾何学)がなりたつ平坦(へいたん)な宇宙のようにみえることである。それはちょうど、地球上にいる人には地球表面のほんの小さな一部分しかみえないので、地球がまるいことに気がつかないように、私たちがみている宇宙はその中のほんの小さな一部分にすぎないからである。インフレーション理論はまた、宇宙がこんなにも一様にみえるのはなぜか、という疑問にも説明をあたえる。もともとは小さな領域がインフレーションをおこして膨張したとすると、私たちが観測する宇宙が一様にみえるのは不思議なことではない。

最初のインフレーションによる膨張がおわっても、宇宙はよりゆっくりとではあるが膨張をつづける。インフレーション理論では、宇宙は開いているか閉じているかのちょうど境目にあることが予言される。もし宇宙が開いているとすると、たとえ膨張の速度がどんなにおそくなるにしても、宇宙は永久に膨張をつづける。もし宇宙が閉じているとすると、宇宙の膨張はあるところでとまり、収縮をはじめるが、それは最後に宇宙が点にまで小さくなって崩壊するまでつづく。この、宇宙が開いているか閉じているかをきめるものは宇宙の密度、すなわち宇宙の中の物質の量である。もし宇宙の密度がじゅうぶんに大きい、すなわち物質の量がじゅうぶんにあるとすると、宇宙は閉じていることになる。

IV

ビッグバンの証拠

宇宙は膨張するにつれて冷えていく。そして宇宙の誕生から1秒後には、陽子が生成される。しばしば「最初の3分間」と形容されるその後の数分間のうちに、陽子と中性子の結合によって、水素同位体である重水素ヘリウムを主として、少量のリチウムベリリウムホウ素などその他の軽い元素が生成される。重水素、ヘリウム、その他の軽い元素が生成される割合を研究することは、現在ひとつの大きな研究分野になっている。宇宙の中ではどこでもヘリウムの量が一定であることはビッグバン理論の証拠のひとつである。また重水素の量は、宇宙の中の物質の密度を推定するためにもちいられる。

ビッグバンから約100万年後には、宇宙はほぼ絶対温度3000K(ケルビン)にまで冷えている。そして、陽子と電子が結合して水素の原子を生成する。水素原子はあるきまった色、すなわちあるきまった波長の光を吸収し放出する。すなわち、原子が形成されたために、そのほかの大多数の波長の光は自由な電子によって吸収されず、じゃまをされないため、光はそれまでよりずっと長い距離をすすむことができる。この変化によって光は自由になり、数十億年以上にわたる冷却をへた後、現在われわれが検出することのできる約3K(-270°C)の宇宙背景放射として観測されている。この宇宙背景放射は1965年、アメリカの天体物理学者アルノ・ペンジアスロバート・ウィルソンによってはじめて検出確認された。

NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙背景放射探査衛星(COBE)は、1989~93年の間に宇宙背景放射の地図を作製した。それによると、背景放射の強度分布はその放射をはなつ物質の分布と正確に一致しており、その温度はビッグバン理論が予言する温度であった。また、宇宙背景放射は一様ではなくわずかな変化がある。これらの変動は、宇宙が成長していくときに、銀河やその他の構造を生みだす種になるものと考えられる。

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