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おもに木その他の木本植物で構成される植物群落がひろい面積の土地を占めるとき、その植物群落を森林という。森林は、自然の状態では、長期間にわたって割合安定した、自己調節された状態で生きつづける。森林の特徴をなす木の種類は、森林が生えている地域の気候、土壌、地形によってきまる。それぞれの局地的な環境に応じて、優占種の木といっしょに、一定の種類の低木や草本が生える。林床をなす植被のタイプは、それより大きくて背の高い植物の影響をうけるが、一方では下生えが土壌の有機物質の成分に影響をあたえるので、影響は相互的なものといえる。 山火事や伐採などの妨害の結果、別のタイプの森林にかわることがある。妨害をうけなければ、森林は生態遷移によって、最終的には極相森林群集となるはずである(→ 生態学の「遷移と極相」)。のぞましいタイプの森林を維持するために、人間が手をくわえることもある。
森林は、葉の特徴と気候にもとづいて、一般的には次の8タイプにわけられる。 (1) 温帯の落葉樹林。アメリカ合衆国東部で典型的にみられる森林構成である。このタイプの森林は、さらに2つのタイプに区別される。同じ緯度でも、北半球と南半球では森林のタイプがまったくことなるからである。この違いはおそらく、北半球の大陸性気候と南半球の海洋性気候からくるのであろう。 (2) モンスーン落葉樹林。ベンガルとミャンマーにみられる独特の森林で、東南アジアとインド全土でもふつうにみられる。メキシコと中央アメリカの太平洋海岸沿いの地域にもみられる。気候の面では、毎日雨が大量にふる雨季の間に、周期的にはっきりした乾季がおとずれるのが特徴で、乾季に木は落葉する。 (3) 熱帯サバナ森林。ブラジルのカンポのような、森林と草原がであう地域にみられる。アフリカと南アメリカに広大にひろがるサバナはイネ科とカヤツリグサ科の草本におおわれ、その間に木々がまばらに、ひろく間隔をおいて生えている。木は棘(とげ)をもつことが多い。火事でやけたり、哺乳類に草や木の葉を食べられたために、サバナにかわることがある(→ サバナ)。 (4) 北方の針葉樹林。北半球の亜寒帯と高山地帯にひろく分布する森林である。高木限界線の北部と山頂では、幹がごつごつした低木が優占する(→ ツンドラ)。トウヒとモミは北部の針葉樹林帯によくみられ、南部ではマツ、カラマツ、アメリカツガ(→ ツガ)が優占する。これらの森林はふつう、かつて氷河地帯であった地域を占め、湖、沼沢地、川にともなって分布する。 (5) 熱帯雨林。中央アフリカとアマゾン流域にみられる独特の森林である。植物の成長がはやく、また落葉と葉の再成長が年間を通じて徐々におこるので、森林は常緑である。樹種は多様であるが、樹皮がなめらかで直立した幹と、大きくて形の単純な葉をもつ木が多い。大きなつる植物がふつうにみられるが、植物が密にからみあったジャングルがみられるのは、通常の森林地帯がいためつけられた場所や川べりだけである。 (6) 温帯常緑樹林(照葉樹林)。温暖な海洋性気候をもつ北アメリカの亜熱帯地方やカリブ海の島々にみられる森林である。メキシコ湾沿岸とフロリダのエバーグレーズ湿地でもっとも繁栄している。特徴をなす木はカシの仲間や、モクレン、ヤシ、パイナップル科の植物である(→ エバーグレーズ国立公園)。 (7) 温帯降雨林。降雨量が少ないときもあるが、海でひやされた空気は湿気をふくんでおり、霧も多い。アメリカの温暖な西海岸の降雨林は、ベイツガ、シーダー、トウヒ、モミ、レッドウッドが優占する。 (8) 熱帯低木林。多雨林と境界をなすが、降雨量の少ない地域にみられる森林である。
アメリカ合衆国には3つの森林地帯がある。ロッキー山脈と太平洋岸に分布する西部の森林は針葉樹林で、アメリカトガサワラ、ポンデローサマツ、モンチコラマツ、エンゲルマントウヒ、ベイモミをふくむ。アメリカで産出する軟材の50%以上は、北西部の太平洋岸の生産性の高いアメリカトガサワラ森林のものである。その他の軟材のほとんどは大西洋側の南部とメキシコ湾岸諸州から産出する。これらはおもにダイオウショウ、テーダマツなどである。材木生産全体の約4分の1を占める硬材は、アメリカの東側半分から産出する。とくに立木が密生しているのは、ミシシッピ川とオハイオ川流域をかこむ地域である。硬材はさまざまな広葉樹からとれる。おもな木にはオーク(コナラ類)、クログルミ、ユリノキ、サトウカエデがある。 アメリカの森林地帯の4分の1以上が森林保護局の管理下にある。1891年にワイオミング州内のたった1カ所の地域ではじまった国有林制度は、1980年代終わりまでには44の州、プエルトリコ、バージン諸島の7700万ha以上の面積にまでひろがった。 保安林とよばれるもっとも初期の国有林は、公有地の保留によって確立された。現在の国有林の境界は連邦議会によってさだめられる。国有林にはまだ個人の私有地が17%ふくまれているが、こうした土地は現在、連邦政府によって徐々に買いあげられている。ほとんどすべての州には州有林がある。州はこれらの森林地帯の管理と保護の義務をおう。
カナダの森林地帯は幅800~950kmの帯をなして、大陸を横断している。材木を産出する森林は、約300万km²におよぶ。全体の5分の4は針葉樹林で、残りが落葉樹林である。大西洋岸から西と北にアラスカまでのびる針葉樹林帯はトウヒ、バルサムモミ、モミ、マツなどからなり、これらにポプラやシラカンバを代表種とする落葉樹がまじる。この針葉樹林帯の南側に、五大湖とセントローレンス川とアカディア地方の混合林がひろがる。ここの主要な針葉樹はストローブマツ、アカマツ、カナダツガ、トウヒ、シーダー、モミである。これらに、キハダカンバ、カエデ、オーク、シナノキといった落葉樹がまじる。カナダ全体で1年に伐採される木の4分の1は、西海岸のブリティッシュコロンビア州に生える大きな針葉樹である。もっとも重要な木はシーダー、ベイツガ、トウヒ、モミ、アメリカトガサワラである。 生産性の高い森林地帯の90%以上は公有の森林である。管理と保護の大きな権限が各州政府にあたえられており、州政府は森林を民間の企業に賃貸する。しかし、海に面した3つの州(ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワードアイランド)では、森林地帯のかなりの部分が私有地である。連邦レベルでは、カナダ環境省森林保護局が森林資源の管理改善と生産性向上を振興するとともに、州の森林管理局に助言をする。
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