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    発達心理学 (はったつしんりがく)は、人の加齢に伴う 発達 的変化を研究する 心理学 の一分野。 かつては、子どもが大人になるまでの過程が発達であると考えられていたが、現在では老年期までも含め、人は生涯を通して変化・成長を続けるものと ...

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発達心理学

発達心理学 はったつしんりがく
百科事典項目
項目構成
4

アイデンティティ

さらに、自意識の芽生えと自己対象化の動きは、現実自己の評価と理想自己との乖離(かいり)をも意識させる。大人にむかって背伸びしたいにもかかわらず、現実の自分はいまだちっぽけで、理想には程遠く、通過しなければならない関門はあまりにも多い。この現実と理想の食い違いの大きさが、青年期に特有の自己不全感をもたらしている。いっぽう、理想の自己への漠然とした問いは、将来の自分らしい自分の生き方(アイデンティティ)を漠然と思いえがかせ、それがまた進学問題とからんで、現実の受験校選択の問題をめぐる葛藤をひきおこしていく。

エリクソンはこのような青年の悩み多き時期をみつめ、青年はそれをアイデンティティの達成によってのりこえていくと考えた。すべての青年がエリクソンのえがいた「物語」どおりにこの時期を生きるわけではないにしても、この時期が強い葛藤にさいなまれる時期であることは否定できないだろう。この時期、青年は自分でも訳のわからないモヤモヤした気分にとりつかれ、イライラすることが多い。自分というものに気づきはじめながら、それをはっきりととらえることができないところにその理由がある。モラトリアム

この時期は乳幼児期からの能力発達がほぼ完成をみる時期でもある。個体の能力がほぼ完成する時期が、自己性の発達にとってはひとつの大きな転機であるというのは興味深い。ここにも発達理論が個体能力発達論から生涯人格発達論へと転回していく必然性がある。

IX

ライフ・サイクル

エリクソンは生涯を8つの心理社会的発達段階、つまりライフ・サイクルにわけ、それぞれに固有の心理的危機、重要な対人関係および心理・社会的行動様式があるとする。たとえば、第1期の乳児期は、「信頼・不信」の心理的危機をいずれの側にのりこえるかという問題をはらみ、重要な対人関係としては母親あるいは母性的養育者との関係があり、心理・社会的行動様式としては「手にいれる・あたえる」という問題があるという。第4期の学童期でいえば、心理的危機としては「勤勉性・劣等感」、重要な対人関係としては学校内の人間や近所の人、心理・社会的行動様式としては「完成させる、くみたてる」があるという。

1

乳児期

実際、第1期の乳児期(口唇期)は、一般に親の傾倒的関与を条件に、乳児は母性的養育をあたえてくれる人に愛着し信頼感をいだく。しかし、もしも愛情をふくむ母性的養育がじゅうぶんでなければ、愛着できずに不信感をつのらせる危険がある。ボウルビーの愛着理論にしたがえば、この信頼か不信かという心理的危機は、子供の内的ワーキングモデルに養育者との経験がどのように書きこまれるかにかかわる。そしてそれが将来の対人関係一般の枠組みとなるという。今問題になっている乳幼児虐待と、それによる乳児のひきこもりの事実を前にすれば、乳児期を単純にしあわせな時期というふうにはイメージできない。

2

幼児期

第2期の幼児期(肛門期)は、いっぽうでの自己主張と他方での親のしつけの受容という相反するテーマを幼児がどのように生きぬくかにかかわり、強い自我をはぐくむか、自己を親にゆずりわたして、いい子を演じていくかの岐路が子供をまちうけている。

3

成人期と老年期

このように、人生には次々にあらわれる心理的危機と葛藤があり、それを各ライフ・サイクルにおいてどのようにのりこえるかが、その人の発達である。この葛藤の人生史は生涯にわたってつづき、大人になってからでも、たとえば第6期の成人期前期には、パートナーの獲得をめぐる親密性と孤立の葛藤がまちうけ、第7期には出産と育児をめぐる葛藤が、そして第8期には老いの受容をめぐる葛藤がまちうけている。

ここには、かつては子供で、親から養育されていた者が、いつの間にか大人になり、次には親になって立場を逆転させ、今度は親として自分の子供をそだてる側にまわるという、人の生の営みの世代間リサイクルが理論化されている。1人の子供の誕生は種としてみれば種保存の世代間リサイクルの一契機であり、養育は「そだてる・そだてられる」の世代間リサイクル、教育は大人の文化伝達の世代間リサイクルにほかならない。誕生した子供は機能的には完成された大人をめざして発達しているようにみえるが、種保存と文化伝達のもっと大きな視点にたてば、子供は親になるべく発達するのだともいえる。

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