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船舶

船舶 せんぱく
百科事典項目
項目構成
4

蒸気船の時代

蒸気の力を船に利用したもっとも古い記録は、アメリカの発明家ジョン・フィッチが、デラウェア川に小さな蒸気船を進水させた1786年のことである。88年に建造した2番目の蒸気船でフィッチは、時速10km以上のスピードを達成した。アメリカの発明家ロバート・フルトンは、1807年に、はじめて外輪船を建造し、数年にしてこのタイプの船は、イギリスとアメリカの内陸水路および沿岸航路で広範に使用されるようになった。

4 A

大西洋横断

最初に大西洋を横断した蒸気船は、沿岸定期船を転用したサバナ号で、1819年5月24日にアメリカのジョージア州サバナを出航、6月20日にイギリスのリバプールに到着した。

定期便の就航は1840年で、同年に新しく設立されたクナード・ライン社が、イギリス~アメリカ間の定期サービスを開設した。この船は木製の外輪蒸気船だったが、順風のときにつかうマストとバーク式の帆があった。搭載していた2つのエンジンは合計で1500馬力、船を9ノットで推進した。大西洋横断航路の定期便に就航した最初の蒸気船は、47年に営業を開始したヘルマン号とワシントン号だった。

船の推進力としてスクリューを応用しようとする初期の試みに、1804年、アメリカの発明家ジョン・スティーブンスがつくったツイン・スクリュー蒸気船がある。何回かは成功したが、エンジン製作の難しさから、スティーブンスはそれ以上の実験を中止してしまった。

1836年に、スウィード・ジョン・エリクソン社とブリトン・フランシス・スミス社によって別々に導入されたスクリューは、多くの船にためされたが、なかでも、44年に完成したイギリスのグレート・ブリテン号が有名である。この船は全長が98.2mあり、貨物の積載量はおよそ3550トンだった。1基の2000馬力エンジンによって12ノットで航行した。

このグレート・ブリテン号は、アイルランドの沿岸で座礁し、一冬の間海の寒風にさらされたが、それにたえて、その後なんの損傷もなく離礁した。このことがきっかけとなって、船の材料として鉄をつかうことに対する保守的な偏見はほとんどなくなった。

4 B

蒸気船エンジンの改良

蒸気船の推進メカニズムはさらに改良がくわえられた。初期の船舶用蒸気機関は、シングル・エクスパンション方式を採用していた。この方式では、ボイラーからでた蒸気をシリンダーに導入し、膨張と排気をおこなっていた。

その後ボイラーが改良され、蒸気圧が増加するにつれて1つのシリンダーから排出された蒸気を、もう1つの低圧シリンダーのパワー・アップのためにつかえば、動力源の全体の効率を高くできることに気づいた。

ダブル・エクスパンション・エンジンとして知られるこの種のエンジンは、あとで、もっと効率のよいトリプル・エクスパンション・エンジンに発展した。最初のダブル・エクスパンション・エンジンは1854年、トリプル・エクスパンション・エンジンは73年に実用化された。

このエンジンによって、蒸気船が燃料の石炭を大量に積載しなければならないという欠点、航海中に何回も燃料の補給をしなければならないという障害をなくし、蒸気船の利用は急速に高まった。

また、スクリューやシャフトが故障した場合、船が立ち往生する危険をふせぐために、スクリューを2基に、のちには3~4基にふやした。1890年代になると、レシプロ蒸気エンジンを蒸気タービンにかえる実験がはじまった。タービンの欠点は、本質的に高速回転の装置であるという点であったが、この欠点は、タービンとシャフトの間に減速歯車をとりつけることで克服され、低速で効率的にスクリューを回転させることができるようになった。

タービンを装備することは、現代の蒸気船では標準となった。そして、同じシャフトにレシプロ・エンジンを結合することもある。現代の多くの船、とくに軍艦では、ターボエレクトリック(タービン発電機を利用した)推力システムが機械的な推進システムにとってかわった。

タービン発動機は、ダイナモ(発電機)をうごかす蒸気タービンでできており、このダイナモが船のスクリューを回転させるモーターをうごかす。ターボエレクトリック推力システムは、推力の調節や逆転などの操作が容易なため、長くて重いシャフトでスクリューを回転させるという、機械的な多くの難問を解決した。

1950年代の後半に原子力発動機が開発され、軍艦および商船の推進力として蒸気を供給するようになった。アメリカが開発した原子力商船サバナ号は、多くの実験航海をおこない、技術的な成功をおさめた。しかしながら、原子力船の操業コストは、従来の船にくらべ、依然として高いままだった。

4 C

19世紀後半の動力船

ディーゼル・エンジンの発達によって、従来の蒸気発動機よりもはるかに効率の高い船舶用の動力装置を製作できるようになった。効率のよいエンジンをつかうことは、造船ではきわめて重要なことである。なぜならば、効率の高いエンジンは、より少ない燃料でより多くの貨物をはこぶことができるからである。内燃機関

動力船は、一般的にはディーゼル・エンジンをつかった船をさすが、20世紀の初期にはじめて建造された。そのころの動力船は比較的小さかったが、第1次世界大戦後は多数の旅客用大型動力船が建造された。

IV

新型の動力船

近年、多くの新型船が開発されている。それは、より高速で高効率の輸送手段を追求してきた結果である。従来の船は水を排水するタイプの船である。つまり、水の上ではなくて水の中をつっ切ってゆくものである。

したがって、移動すると波をたてる。そのため、波を克服し、船体と水との摩擦を克服するために大きな原動力が必要となり、速度がはやくなると必要とされる動力は膨大なものとなる。たとえば、5万4431トンの航空母艦は、35ノットで航行するのに28万馬力が必要である。最新の造船技術は、いかにして船を水の表面から浮上させるか、の追求である。

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