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項目構成
工学であつかわれるすべての重要な熱力学の関係は、熱力学の第1、第2法則からみちびきだされる。熱力学の過程を論じる有用な方法のひとつは、サイクルに関するものである。サイクルとは、ある多数回の状態変化をへた後、元の系の状態にもどるような過程であり、熱力学変数に関する値は系の状態の移り変わりにより変化してゆく。完全なサイクルでは、系の内部エネルギーはこれら熱力学変数のみにより記述され変化することはない。したがって系に移送された全熱量は、系がした全仕事に等しい。 理想的なサイクルは完璧に効率的な熱機関、つまりすべての熱エネルギーが力学的エネルギーに転換される機関によりなされる。19世紀のフランスの科学者カルノーは基礎的な熱機関のサイクルを考え、そのような理想化された熱機関は存在しないことをしめした。どんなにすぐれた熱機関でも、廃熱として熱を排出しなければならない。熱力学の第2法則は熱機関の効率の上限をさだめる。その上限はかならず100%以下であり、現実の熱機関の効率はカルノーサイクルによる効率をこえることはない。
第2法則は、絶対零度をふくめて絶対温度目盛りがありうることをしめしている。しかし、熱力学の第3法則は、有限回の手順では絶対零度は達成できないことをのべたものである。つまり絶対零度とは、かぎりなく近づくことはできるがけっして到達できない温度をいう。また、絶対零度のときエントロピーの値は0であるとさだめている。
すべての物質が分子により構成されているという認識により、熱力学の微視的な基礎づけがなされてきた。物質中の分子はそれぞれ独立に速度や運動量をもっている。そのような熱力学的な系は、これら個々の分子の運動を統計的に考えることにより決定される(→ 統計学)。少なくとも原理的には、個々の分子の運動方程式をみちびきだし解くことで、それら分子の統計的な振舞いがえられるはずである。この意味からすると熱力学とは、たんに力学法則の微視的な系への応用であると考えられる。 普通のサイズ、たとえば人間ぐらいの大きさの物体には、約1024個の膨大な数の分子がふくまれている。分子は完全な球であると仮定すると、個々の分子の振舞いを記述するためには、位置をあらわす3つの変数、さらに速度をあらわす3つの変数が必要である。しかし、1024個もの分子の動きをコンピューターで計算するのは、最新の超大型コンピューターをもちいたとしても、とうてい不可能である。そのような膨大な量の情報はほとんど役にたたないし、それほど重要でもない。 分子全体の平均的な運動をみちびきだし、系の全体的な特徴をもとめる統計学的な手法が考案された。この方法により記述される系の全体的な特徴は、巨視的な熱力学変数の値と正確に一致する。このように分子の全体的な運動を統計的に解いて、系の巨視的な振舞いをもとめる学問を統計力学とよび、巨視的な熱力学系と微視的な力学系とをむすびつけている。
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