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三硝酸グリセリンともいう。強力な爆発力をもつ油のような液体で、色は無色~淡黄色。水より重く、強い甘味がある。 グリセリンを混酸(濃硫酸、濃硝酸の混合物)と反応させて製造する。ニトログリセリンの結晶には、安定型と不安定型の2種類がある。ニトログリセリンを加熱すると50°Cで分解しはじめ、180°Cで爆発するが、約400°C以上になると爆発はおこらない。空気中で少量のニトログリセリンに点火しても、静かに燃焼するだけである。ただし量を多くしたり、容器に密閉して加熱すると爆発する。衝撃をくわえても容易に爆発するので、移送には危険がともなう。
ニトログリセリンは1846年に、イタリアの化学者ソブレロによってはじめて合成されたが、導火線による点火では爆発せずに燃焼しやすく、逆にわずかの衝撃で簡単に爆発するため、爆薬としての使用はむずかしかった。 スウェーデンの技術者ノーベルは、ニトログリセリンを点火によって確実に爆発させる雷管を発明し、さらに1866年、ニトログリセリンを珪藻土にしみこませる方法で、衝撃に対して安全なダイナマイトを発明した。それ以後ニトログリセリンは爆薬として広く普及し、今日にいたっている。ダイナマイトの爆発力を高めるため、現在ではニトログリセリンの吸収剤として、硝酸塩、木粉、硫黄や、可燃性のゼラチンなども利用されている。→ 爆発物
化学式C3H5(ONO2)3、分子量227.09、安定型の融点13.5°C(ただし過冷却現象により、凝固点は融点以下の12°C)。不安定型の融点2.2°C、密度1.60g/cm³。爆発による発熱量1.5kcal/g、火薬としての力は1320kj/kg。
狭心症の痛みをとる薬としてつかわれ、予防にももちいられる。血管壁の平滑筋の収縮をゆるめ、動脈と静脈を拡張し、血圧をさげる働きがある。 冠動脈がせまくなって心臓が必要とする血液が供給されなくなると、狭心症がおこる。ニトログリセリンの血管拡張作用によって、心臓には血液がふたたびはこばれるようになるため、心臓の負荷がへって、胸痛がやわらぐ。市販されていないので、手にいれるには医師の処方が必要である。即効型と長時間作用型がある。即効型は、はげしい動きをしたために発作がおきると予測される直前、あるいは発作がおきたらすぐに使用する。 ニトログリセリンには、舌下錠、スプレー剤、パッチ剤、テープ剤などの剤型がある。舌下錠は、錠剤を舌の下においてとかす。内服では効果がない。スプレータイプのものは、舌の上か下に噴射する。発作がおきることが予測される場合は、5~10分前に1錠を舌下におくか、1回スプレーする。即効型のものは、1~3分で効果があらわれる。 長期の予防には、長時間作用型錠剤あるいはカプセルがもちいられる。あるいは、パッチ剤を皮膚の毛のはえていない個所に24時間おきにはりつけておく。また、軟膏(なんこう)をうすくぬったテープを毛のない皮膚にはりつけてもよい。長時間作用型のものは、30~60分以内に効果があらわれる。 長時間作用型のものは、24時間たつと体が薬になれて耐性ができてしまう。効果を持続させるには、24時間ごとに10~12時間、薬を中断することが必要である。長期にわたって使用している場合は、急に使用を中止しないで徐々に量をへらしていくようにする。 一般に顔の紅潮、頭痛、血圧が突然さがる、動悸がはやくなるなどの副作用がおこることがある。めまいがしたり、気分がわるくなったり、下痢がおきることもある。 薬に対するアレルギーや重症の貧血がある場合、頭部に外傷をうけてからまもない場合、心臓発作にともなって心拍数や血圧が上昇した場合、血管の病気によって心筋に異常な肥大ができた場合、甲状腺機能亢進(こうしん)症(→ 甲状腺)、緑内障がある場合は使用してはならない。妊娠中、あるいは授乳中の女性は、よく注意して使用する必要がある。また、暑い場所で使用すると、血圧がさがりすぎる恐れがある。寒い場所では、用量をふやさないと効果があらわれないことがある。 ニトログリセリンを使用している間は、飲酒は絶対にさける。喫煙は薬の効果を低くする。市販のアレルギー薬や風邪、咳(せき)の薬はつかわないようにする。他の薬との併用については医師の指示をうける。
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