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イギリスを構成する連合王国のひとつ。グレートブリテン島の中・南部を占める。イングランド王国として成立して以来、グレートブリテン島全体からイギリス諸島全体、さらには全世界にまたがる広大な地域の支配権をにぎり、19世紀後半から20世紀初頭にかけては史上最大の帝国を形成した。現在、人口をはじめとして、政治・経済・文化の諸活動が集中し、イギリスの主要部をなしている。総面積は13万410km²で、グレートブリテン島の57%を占める。人口は5009万4000人(2004年推計)。イングランド最大の都市はロンドンで、イギリスの首都、イギリス連邦の中心でもある。 イングランドは三角形に近い形をしており、その頂点はトゥイード川の河口である。東側は北海に面し、西側はトゥイード河口からスコットランドとの境界沿いに南西へむかい、アイリッシュ海沿岸部、ウェールズとの境界線をとおって、グレートブリテン島の西端ランズエンド岬に達する。北境にあたるスコットランドとの境界は、西のソルウェー湾からチェビオット丘陵にそって東のトゥイード河口まで、南はイギリス海峡に面している。ランズエンド岬南西の大西洋上にあるシリー諸島、イギリス海峡にあるワイト島、アイリッシュ海にあるマン島などもふくむ。
イングランドの海岸線は出入りが多く、入り江のほとんどは天然の良港であり、イングランドの経済やイギリス帝国の発展にとって重要な役割をはたした。東海岸は全般に潮が高く、タイン川左岸のニューキャッスル、ティーズ川右岸のミドルズブラ、ハンバー川左岸のハル、イェア河口のグレートヤーマス、テムズ河口のロンドンなど、多くの河口部が船の好停泊地となっている。南岸の代表的な港はドーバー、ヘースティングズ、イーストボーン、ブライトン、ポーツマス、ボーンマス、プリマスなどであり、西岸にはブリストルとリバプールがある。 地形は変化にとんでいる。北部と西部は全般に山がちで、ペナイン山脈がイングランド北部の脊梁(せきりょう)をなしている。北西部のカンブリア州にはカンブリア山地があり、同山脈の最高峰スコーフェル山(標高978m)は、イングランドの最高峰でもある。カンブリア山地のほとんどを占めるレークディストリクトは、イングランドを代表する景勝地として名高い。 ウェールズの東、ペナイン山脈南端とブリストル海峡にはさまれた地域には、なだらかに起伏する平野が広がる。この平野部の西側はミッドランド地方として知られ、バーミンガムやスタッフォード炭田などからなるブラックカントリー(黒煙地方)をふくむ。東側は丘陵地のイーストアングリアと低平なフェンランドである。ブリストル海峡の南に広がる台地は、コーンウォールとデボンの不毛な高地にむかって傾斜をなしている。荒涼とした景観をのこすダートムーア(最高点621m)もこの地域にある。デボンからドーバー海峡にむかっては白亜の丘陵がつづき、イギリス海峡からは白い崖(がけ)のようにみえる。
海にかこまれているため、気候は比較的穏やかである。年平均気温は、南部で11.1°C、北西部で8.9°C。月平均気温は、もっとも暑い7月で約16.1°C、もっとも寒い1月で約4.4°Cである。ロンドンの月平均気温は、1月が4.4°C、7月が17.8°Cである。霧やくもりがちの天気が多く、とくにペナイン山脈や内陸部で顕著である。年降水量は760mmほどで、月別では10月がもっとも多い。
かつて高地はカシやブナ、低地はマツやカバの森でおおわれていたが、現在では、森林は総面積の4%のみである。サクランボ・リンゴ・プラムなどの果樹が栽培される。ハリエニシダをはじめとする自生種も多くみられる。 動物は、各地でシカ・キツネ・ウサギ・アナグマなどが生息する。鳥では、ヒバリとスズメが代表的で、カラス・ハト・ムクドリ・ツグミなども多い。爬虫(はちゅう)類は少ない。淡水魚はマス・サケなどが釣り用に養殖されている。 農業資源・鉱業資源ともにあるものの、多くは輸入にたよっている。土地の5分の2ほどが耕地で、とくに東部では肥沃(ひよく)な土地がみられる。カンブリア、スタッフォードシャー、ランカシャーでは鉄鉱石がとれる。水力資源はわずかで、ほとんどが北部のカンブリアに集中している。
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