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三角法と三角関数三角法と三角関数 さんかくほうとさんかくかんすう Trigonometry and Trigonometric Function
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三角関数について、次のような公式がなりたつ。
ここで、θやφはどんな角でもよい。 どんな角θに対するsin θやcos θでも、公式Vをくりかえしつかえば、0°から90°までの正弦(sin)と余弦(cos)であらわせる。また、公式Iと公式IIをつかうと、tan θ、cot θ、sec θ、cosec θの値はすべて、sin θとcos θの値からもとめられる。したがって、三角関数の値をもとめるためには、0°から90°までの角θについてsin θとcos θの値の表があればよい。三角関数表とよばれる数表には、ふつうこれがのっている。 三角関数の値の変化は、図「三角関数のグラフ」であらわされている。この曲線をみると、三角関数は明らかに周期関数であることがわかる。つまり、一定の間隔(周期)をおいて、関数の値はまったく同じ変化をくりかえす。正弦(sin)、余弦(cos)、正割(sec)、余割(cosec)の各三角関数の周期は360°、または2pラジアンであり、正接関数(tan)と余接関数(cot)の周期は180°、またはpラジアンである。 三角関数について成立するいろいろな関係式が、これらの基本的な公式からみちびかれ、三角法の研究や応用にもちいられる。
「θの正弦の値はyである」(y = sin θ)というとき、同じことを逆に「正弦の値がyであるような角はθである」といいあらわすことができる。yによって角θがきまると考えるのである。つまり、逆にθをyの関数と考えることができるわけで、これを逆正弦関数とよぶ。逆正弦関数は、記号θ = arcsin yまたはθ = sin-1yであらわす。逆正弦関数は、正弦関数の逆関数である。ほかの三角関数についても同様にして、arccos y, arctan y, arccot y, arcsec y, arccosec yという逆三角関数が定義できる。 ただし、同じ三角関数の値をとる角は1つだけとはかぎらない。y = sin θ、またはθ = arcsin yについて、yの1つの値に対応するθの値は無数にある。たとえば、sin30° = sin150° = sin(30° + 360°) = sin(150° + 360°)= ... = y である。つまり、θ = arcsin y に対して、θ = 30° + 360° × nまたはθ = 150° + 360° × n である。nはどんな整数でもいい。
そこで、yに対する逆正弦関数の値θがただ1つきまるようにするため、θを-90°から90°までの範囲にかぎり、arcsinのかわりにArcsinという記号をつかって、θ = Arcsin yとあらわす。このθを、逆正弦関数の主値という。たとえば、30° = Arcsin 1/2である。ほかの逆三角関数についても、同様にただ1つの値(主値)がきまるように、θがとる値の範囲を
三角法は実用的には、直接にははかれないような距離をもとめたりするのにつかわれる。もとめる距離を1辺の長さとするような三角形を考え、その三角形の他の辺や角を測定すれば、次の公式をつかって問題を解くことができる。
三角形の3つの角の大きさをA, B, C、それらの角の対辺の長さをそれぞれa, b, cであらわすと、次の式が成立する。
余弦定理と正接定理については、A, B, Cとa, b, cの記号を適当にいれかえると、別のかたちの式がえられる。たとえば、
上の3つの定理をつかうと、さまざまな問題を解くことができる。つまり、三角形の1辺とその両端の角、2辺とそれにはさまれる角、2辺とそれにむかいあう角の一方、この3つのどれかがわかれば、残りの辺の長さや角の大きさを決定することができる。
球面三角法は、球面上の3つの大円の弧で囲まれた球面上の図形である球面三角形(→ 三角形)についてあつかい、おもに航法や測地法や天文学などに応用される。平面上の三角形と同様に、球面三角形も、3つの辺a、b、cと3つの頂点の角A、B、Cの6個の要素をもつ。球面上の大円の弧の長さは中心角ではかられるから、球面三角形の3辺は長さのかわりに角度としてあつかってもよい。三角形の6つの要素のうち、いずれかの3要素があたえられたとき、要素どうしの間になりたつ関係式をつかって残りの要素をもとめ、三角形をきめることができる。このことを、三角形を解くという。
平面上の直角三角形と同様に、直角球面三角形(象限弧球面三角形ともいう)では、2つの要素だけですべてきまってしまう。たとえば、C = 90°の球面直角三角形でcとAがあたえられたとき、他の要素は、次の公式でもとめられる。
別の2つの要素があたえられた場合にも、ネーピアの円形法則(円分法則)によって、公式がすぐにえられる。これは、a、b、Aの余角(90°- A)、cの余角(90°- c)、Bの余角(90°- B)の5つを円形にならべて考えるもので、どの要素についても、残りの4つを隣接する2つと向こう側の2つにわけることで、簡単な公式がえられる。つまり、どの要素の正弦の値も、それと隣接する2要素の正接の値の積と等しく、また向こう側2つの要素の余弦の値の積に等しい。たとえば、
一般の球面三角形では、簡単な規則はないが、それぞれの場合に応じた公式がある。
たとえば、球面三角形ABCにおいて、aとbとAがあたえられたとき、残りの要素をもとめる公式は、
平面上の三角形と同様に球面三角形でも、3つの要素をまったく任意にあたえると、三角形の条件をみたさないこともあり、また三角形が1通りにはきまらないこともある。特別な場合には、その扱いはひじょうにやっかいである。というのは、すべての直線(球面上では大円が直線にあたる)は他の直線とかならず2点でまじわるので、より多くの場合を考えなければならないからである。球面多角形については、対角線をひいていくつかの球面三角形にわけ、それぞれの三角形の3つの要素があたえられたり、計算できたりすれば、球面多角形のすべての要素がもとめられる。 球面三角法は、立体投影法の理論や測地学でひじょうに重要である。また、天文学の計算の基礎にもなっている。いわゆる天文三角形を解くことにより、観測地点の緯度・経度や観測時刻、星の位置などをもとめることができる。
三角法の歴史は、エジプトやバビロニアや中国の古い数学にさかのぼる。バビロニアでは、60進法をつかって、角度を度・分・秒ではかることがおこなわれた。紀元前2世紀、ギリシャの天文学者ヒッパルコスが、三角形をしらべるため、三角関数の表をつくり、三角法の創始者といわれている。彼がつくったのは、ある半径rの円について、7.5°刻みで180°まで、それぞれの角に対する弦の長さをしめした表で、正弦関数表に相当する。300年後の天文学者プトレマイオスは、ヘレニズム時代のギリシャ人がバビロニアの60進法をもちいていたこともあって、r = 60とした表をつくった(→ 数学)。
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