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穀物の麦芽(モルト)、ホップ、水、副原料のデンプン(米、コーンスターチなど)を原料として発酵させたもので、麦芽の使用率(重量比)が水をのぞいた3分の2以上とさだめられている。麦芽100%のビールには、副原料はつかわれていない。ビールより税金がやすいため、価格が手ごろで人気の麦芽発泡酒は、麦芽の使用率が3分の2未満で発泡性を有するものとさだめられ、雑酒に分類される。麦芽が3分の2以上でも果汁などをくわえたものは、発泡酒に属する。ノン・アルコールビールはビールの風味をした清涼飲料水。アルコール依存症の患者や青少年の飲酒、飲酒運転などの防止のためにつくられたものである。
ビールは直射日光のあたらないすずしい場所で保管し、夏なら6~8°Cで5~6時間、冬なら10~12°Cで2~3時間、冷蔵庫で冷やすと飲みごろになる。冷やしすぎると濁りが生じる。保存期間が長くなると鮮度がおちるため、できるだけ早めにのむこと。 グラスに油気がついていると泡がきえてしまうので、グラスはきれいに洗い、自然乾燥させる。泡は炭酸ガスを封じこめ、ビールが空気とふれて味がおちるのをふせぐ役目をする。きれいな泡をつくるつぎ方は、静かにつぎはじめ、だんだん勢いよくついで泡をたて、最後は泡をもちあげるようにまた静かにつぐ。泡は上部3割くらいが理想的。泡を最後までけさないでのむのもコツである。
ヨーロッパ諸国やアメリカのビールは、それぞれ味や中身がいちじるしくちがうが、醸造の方法はかわらない。アメリカではビールといえば一般にラガービール(販売前にしばらく貯蔵したもの)をさし、成分は、おおよそ水分90%、アルコール3.5%、炭酸ガス0.5%、タンパク質、炭水化物、ミネラル、香料からなるエキスが6%となっている。 まず、オオムギを水にひたして発芽させ、麦芽にかえて加熱して乾燥するが、乾燥すると麦芽に香りと焦げ色がくわわる。次に麦芽と米などの副原料を粉砕して温水をくわえてまぜ、発酵させる。その後、この麦汁を濾過(ろか)し、ホップをくわえて煮沸後、ホップかすと澱(おり)をのぞいて5~10°Cに冷やし、酵母をくわえて発酵させる。酵母は麦汁中の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、若ビール(Green Beer)になる。若ビールは未熟で味にまろやかさがないが、少量の酵母をくわえて1カ月貯蔵すると熟成して澄んでくる。ふたたびフィルターで濾過して酵母と濁りをのぞき、瓶や缶、樽(たる)につめ出荷される。 ビール用のオオムギには、粒が大きくデンプンの多い二条オオムギと、小粒で酵素の力の強い六条オオムギがあるが、おもに二条オオムギがつかわれている。なかにはコムギをつかったものもある。醸造の際にビールの10倍の水がいるといわれる。水質もビールの味をきめる重要な要素であり、淡色ビールには軟水が適する。産地によりビール醸造に適した水があり、このようなビールには生産地の名前がつけられることが多い。たとえば、ミュンヘン、ピルゼン、ミルウォーキーなどである。ホップは乾燥させた雌花をつかうが、ビール特有のほろ苦さと香りをつけ、色をよくして保存性をます働きをする。
ビールは酵母、色、殺菌方法などの違いによってさまざまな分け方をされる。 酵母の種類では下面発酵ビールと上面発酵ビールにわけられるが、日本をはじめ世界のビールのほとんどは、下面発酵ビールである。下面発酵酵母は5~15°Cの低温でゆっくりと発酵し、発酵末期には酵母が底にしずむ。味はまろやかで、すっきりしたのどごしが特長。ラガービールのラガーは、ドイツ語で貯蔵を語源とする言葉で、低温で貯蔵した下面発酵ビールをさす。エールやスタウトなど上面発酵酵母は18~20°Cで発酵し、液面にうきあがってくるもので、イギリス、ベルギー、オランダなどではこのタイプのビールが多い。味は、苦みが強い、刺激臭がある、果実臭に似た香りがあるなど、個性的で癖が強い。 色では淡色ビール、濃色(黒)ビール、中等色ビールにわけられる。色の違いは発芽や焦げの度合い、それらの混合の量の差によっておこる。淡色ビールはすっきり、さわやかな味で、世界の大勢を占めるが、濃色ビールは濃厚で風味があり、ドイツなどで根強い需要がある。 殺菌方法は、瓶や缶につめたあと加熱処理しないものを生ビール、加熱処理して保存性を高めたものを加熱殺菌ビールという。現在は製造技術の発達により生ビールが多くなっている。
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