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トランジスターは3つの端子(電極)をもつ半導体素子で、電流を増幅することができる。トランジスターは、「産業のコメ」ともよばれ、さまざまな電子機器につかわれている。近年ではIC(Integrated Circuit:集積回路)に主役がとってかわられているが、いまでも多くのトランジスターが生産、利用されている。 最初のトランジスターは、1948年にAT&Tのベル研究所でアメリカ人物理学者ウォールター・ブラッテン、ジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレーの3人によって発明された点接触型のものであった。56年、この業績により3人はノーベル物理学賞(→ ノーベル賞)をうけている。ショックレーは、トランジスター開発のきっかけとなった半導体の研究計画の創始者および統括者として著名である。共同研究者のブラッテンとバーディーンは、さらに点接触型を改良した接合型トランジスターを51年に開発した。
半導体の電気的な性質は、その原子構造によってきまる。たとえば、真性半導体である純粋なシリコン(ケイ素)の結晶は低温では絶縁体になるが、不純物が少量ふくまれている結晶は低温でも電気をとおすようになる。純粋なシリコンの結晶にくわえられた硫黄やアンチモン、ヒ素のような不純物元素はドナー(提供者)とよばれ、電気の伝導をになう電子(伝導電子)を増加させる。これに対して、ガリウムやインジウムなどのアクセプター(受取人)とよばれる不純物元素は、正孔(ホール)とよばれる電子がたりない原子をつくる。正孔は、電圧をかけると電子の方向と逆の方向にうごこうとして正の電荷をしめす。→半導体の「半導体の構造」
ドナーの原子をふくむシリコンの結晶は、余分な負の電荷をもつ伝導電子が存在することから、n型(negative)半導体という。一方、アクセプターをつかうと正の電荷をもつ正孔が存在するp型(positive)半導体とよばれるものができる。
もっとも基本的な半導体素子であるダイオードは、n型半導体とp型半導体を接合した、n-p接合(p-n接合とも)とよばれる構造をしている。n型半導体内の伝導電子はp型半導体の領域に、逆にp型半導体内の正孔はn型半導体の領域に拡散する。接合部分付近では、電子(負の電荷)と正孔(正の電荷)が1対ずつ結合しているため、電気的に中和な空乏層という領域となっている。空乏層があるために、半導体に電圧をくわえないと電流はながれない。 しかし、図「n-p接合」にしめすように、n型半導体に電池の負の端子とつなぎ、p型半導体には電池の正の端子とつなぐと、空乏層をこえて大きな電流がながれる。これは、n型半導体内の伝導電子が負の電圧に反発し、p型半導体内の正孔は正の電圧に反発して、たがいに相手の領域以内に入って結合するためで、こうした電圧のかけ方を順バイアスとよんでいる。一方、逆バイアスといって電池の正負を逆につなぐ接続では、図にみるように電流はながれない。伝導電子と正孔が電圧のくわえられた両端にひきつけられて空乏層が広がるためである。 このように、n-p接合には、くわえる電圧の向きにより電流がながれるかどうかをきめる働きがあり、これを整流作用という。
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