Windows Live® の検索結果
Windows Live® の検索結果 ページ 2 / 2
項目構成
ドイツと同じくイギリスでも、ロマンティックな感情にみたされた風景画がロマン主義絵画の中心的表現となったが、イギリスの画家はもっと革新的な様式や技法を生みだした。パーマーがえがく風景画には、無邪気で素朴なスタイルと、ブレークに由来する幻想的な宗教感情がみとめられる。コンスタブルは、多くのロマン主義の詩人や画家が好んだ荒々しい自然の風景から転じて、深い感情をこめて静かなイギリスの風景をえがいた。戸外で制作した最初の大画家だった彼は、かがやく色彩と幅ひろく厚みのあるタッチをつかって新鮮な画面をつくりあげた。ターナーは、ロマン主義の画家のだれよりも革命的な画面を生みだした。17世紀のフランスの画家クロード・ロランを彷彿(ほうふつ)とさせる風景画から出発した彼は、後期の作品では、光と色彩の雰囲気の効果に専念するようになった。たとえば、「吹雪」(1842)のような作品では、雲と霧や雪と海が、渾然(こんぜん)一体となってひとつの渦にまきこまれている。
アメリカのロマン主義絵画は、合衆国北東部のあらあらしい自然を霊感の源としたハドソン・リバー派によって代表される。アメリカ最初の風景画家オールストンは、主観的感情をみなぎらせた詩的な風景をえがいて、ロマン主義をアメリカに導入した。ハドソン・リバー派を代表するイギリス生まれのコールは、原生林やそびえたつ山々を描写して、精神的偉大さを表現した。コールの弟子チャーチは、ハドソン・リバー派の様式を南米やヨーロッパやパレスティナの風景に適用した。
19世紀半ばには、ロマン主義絵画は、本来のロマン主義運動の情熱をうしないはじめた。後期ロマン主義の中で傑出した成果は、フランスのバルビゾン派の平穏で趣のある風景画である。同派にはコローやテオドール・ルソーらがいた。イギリスでは1850年以降にラファエル前派がドイツのナザレ派の中世趣味を復活させた。
ロマン主義の影響は、その後につづく絵画にいきわたった。コンスタブルからバルビゾン派をへて印象主義にいたる系列もたどれるが、より直接的なロマン主義の末裔(まつえい)は象徴主義である。象徴主義は、ロマン主義の主観性、想像力、不思議な夢のようなイメージという特徴を、さまざまなやり方で強め、磨きをかけた。20世紀の表現主義やシュルレアリスムはこうした傾向をさらにすすめた。ある意味では、あらゆるモダン・アートは実質的にロマン主義に由来するといえるかもしれない。現在、芸術においては自律性、オリジナリティ、自己表現が第一と思われているが、それは伝統的な古典的原理に反対するロマン主義がつくりだした考え方からきているのである。日本では、ロマン主義の影響をうけた画家として、藤島武二、青木繁などがあげられる。
© 1993-2009 Microsoft Corporation. All Rights Reserved. |
© 2009 Microsoft
![]() ![]() |