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サル目ショウジョウ科に属する類人猿。アフリカ大陸の赤道付近に生息する身体的にも遺伝学的にももっともヒトに近い動物である。チンパンジーとボノボ(ピグミーチンパンジー)の2種がある。チンパンジーは、大西洋側のシエラレオネやギニアからタンガニーカ湖、ビクトリア湖の辺りまでの地域に生息する。いっぽう、ボノボはコンゴ盆地東部の熱帯雨林にのみ生息している。
チンパンジーのオスの身長は直立したときで1.5m、体重は40~50kg近くになる。メスはオスよりもやや小さい。腕は長く、左右にひろげると身長の1.5倍にもなる。足は幅ひろく、指が短いので、オランウータンよりも歩行に適している。毛色はこく、顔、手のひら、足の裏には毛がない。耳、くちびる、目の上の隆起がつきだしている。尾はない。チンパンジーの脳の大きさはヒトの約半分である。 チンパンジーは昼間活動し、夜ねむる。雑食性で、200種類もの木の葉や果実のほか、シロアリやアリ、ハチミツ、鳥卵、さらに、鳥や小型哺乳類などを食べる。ほとんどの時間を木の上や木の近くですごし、直射日光をさけている。おとなになると毎晩、新しい寝床を樹上につくる。メスは35日周期で月経があり、月経は6.5日間つづく。 きまった繁殖時期はない。7カ月以上の妊娠期間のあと、ふつう1頭の子がうまれ、双子はまれである。生まれたばかりの子は母親の保護が必要で、母親の毛にしがみつき、移動するときは母親の背中にまたがるようにしてしがみつく。4歳ごろに離乳するが、10歳ごろまで母親について行動する。母子のきずなは一生つづくこともある。野生では60歳ぐらいまで生きることが知られている。
チンパンジーは比較的ひろいなわばりに、2~80頭のメンバーによる結び付きの緩やかな群れを形成し、それぞれのメンバーは1つの群れに数年間とどまる。1つの群れの中にはさらに小さなグループがあり、グループがこわれたり新たにできたりというサイクルをくりかえしている。メスはグループ間を移動することもあるが、オスは1つのグループにとどまる。ただし、母子の間をのぞいて、個体間に長続きする関係はない。 メスはさまざまなオスと交尾する。同じ群れのメンバーは協力して狩りをしたり、食物をわけあったりする。なにか食物のありかをみつけると、フーとかキーという声や叫び声を発したり、木をたたいたりして仲間の注意をうながす。おとな同士ではつねに助け合いがおこなわれ、同じグループのメンバーはたがいに毛づくろいをしあう。
チンパンジーは声や顔の表情、姿勢、さわること、動作などで意志を伝達する。わかいチンパンジーでも少なくとも32種類の音声を発することができ、顔の筋肉をつかってさまざまな感情を表現することができる。道具をつかうことができ、シロアリを巣からとりだす「シロアリ釣り」のために皮をはいだ小枝をつかったりするなど、問題解決にすぐれた知能を発揮する。実験により、チンパンジーは象徴的な意味で言語を学習することもできるとされているが、その結果については議論の余地がある。 → 動物の道具使用
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