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通常の軍事作戦とはことなる破壊工作、偵察、情報収集などの不正規作戦に従事することを目的として特別に訓練された部隊のこと。襲撃、破壊などを専門におこなう部隊はとくにコマンドとよばれている。もともとは第2次世界大戦中の1940年にイギリスで、敵占領地域での破壊活動をおこなう、パルチザンやレジスタンスなどのゲリラ組織と接触する、あるいはゲリラを組織することなどを任務としてつくられたものである。現在、特殊部隊は軍隊だけでなく、暴動鎮圧やテロリスト対策にあたる警察部隊としても多数が編成されている。
イギリスで最初に編成されたコマンド部隊は、ドイツ占領下の大陸沿岸で港湾の破壊やドイツ軍施設の攻撃などをくりかえした。北アフリカでは現地陸軍が編成したLRDG(Long Range Desert Group)による、リビア砂漠での長距離偵察およびドイツ、イタリア軍の補給施設や補給路などに対する攻撃がおこなわれた。また、LRDGは1943年以降、バルカン、イタリアでも活動した。さらに、北アフリカでは、下に詳述するSAS(Special Air Service)とよばれる部隊も活躍した。 SBS(Special Boat SectionまたはSpecial Boat Squadron)は、カヌーや小型ボートをつかって偵察や沿岸目標の攻撃、上陸作戦の後方支援にあたった。RMBPD(Royal Marine Boom Patrol Detachment)は、吸着式機雷などをつかって敵泊地での艦船攻撃をおこなう部隊の総称である。COAPPs(Combined Operations Assault Pilotage Parties)は、イギリス軍の上陸のために海岸の偵察を任務としていた。これらの部隊は潜水艦や高速艇、漁船などを利用した。
SASは、現在では対テロ特殊部隊の代名詞のようになっているが、もともとはLRDG同様、第2次世界大戦中に、ドイツ、イタリア軍の飛行場襲撃を任務とした部隊であった。これはイギリス空軍のデービット・スターリング少佐の進言によって1941年7月に編成されたもので、ジープに機関銃を搭載して、長駆砂漠をつっきって、後方の補給基地、燃料置き場、飛行場を攻撃した。とくに航空機を300機以上破壊して、ドイツ、イタリア空軍の活動に大きな影響をあたえた。LRDGとは協力関係にあり、共同して出撃することもあった。 SASは、その後もイタリアや北西ヨーロッパでもパルチザンの支援にあたり、連合軍の勝利に大きく貢献した。その実績がみとめられてSASは常設部隊となり、戦後空軍から陸軍に移管された。 戦後になってイギリス植民地の各地で独立運動が発生すると、イギリス軍当局はテロ鎮圧部隊としてSASを派遣することになる。その後、1972年のミュンヘン・オリンピックでのパレスティナ・ゲリラによる選手村占拠人質殺害事件を契機として、SASは本格的に対テロ、対ゲリラ戦部隊としても運用されることになった。現在世界各国で対テロ部隊が編成されるようになっているが、そのほとんどは直接または間接にSASにまなんでいる。また実際の作戦で協力することも多い。 現在のSASは、陸軍に属する空挺特殊部隊として、LRDGの任務もふくめた特殊作戦と対テロ作戦に従事している。一方SBSは、海兵隊に所属し、SBS、RMBPD、COAPPsの任務をあわせて遂行している。またSAS同様、対テロ作戦も重要な任務となっている。
アメリカでは1942年、海兵隊にレイダー大隊、陸軍にレインジャー大隊が編成された。レイダーはアメリカ海兵隊の太平洋戦域の上陸作戦で、先遣隊や側方警備、後方撹乱(かくらん)などで活躍した。レインジャーは地中海や北大西洋方面の上陸作戦で先鋒(せんぽう)をつとめた。
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