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英語のPhilosophyの語源は、ギリシャ語のphilosophia「知への愛」。人間はある程度の年齢になると、自分の生きている世界がどのような原理からなりたっているのか、また、世界の中で自分がどのような位置を占めているのかを知りたくなる。世界の始まりとはなにかとか、人間のはたすべき務めとはなにかといった原理的な問いにこたえてくれたのは、未開社会では神話や宗教であった。 しかし、起源も不明なこうした宗教や神話の教えにかわって、合理的で批判的な考え方が古代ギリシャでめばえはじめた。したがって、西洋での「知への愛」というのは、論理的で合理的な原理にしたがってものごとを考え、究極的な原理に関する「知」をおいもとめる姿勢をさす。
合理的に考えるという態度は、哲学にかぎらずほとんどあらゆる知識の領域に共通することだろう。したがって古代ギリシャでは、「哲学」は「学問」とほぼ同じことを意味したし、この用法は18世紀までつづく。 しかし現代では、「哲学」という言葉は、その原理的に問うという姿勢のために、各学問領域のもっとも基本的な問いを考察するという意味でつかわれることが多く、たとえば「法哲学」とか「社会哲学」あるいは「科学哲学」といった言い方が生まれることになった。 また、同じ理由で、われわれが人生をおくるうえでの根本的な姿勢や価値観をしめすときにもこの言葉がつかわれ、「人生観」とか「世界観」といった意味をもつこともある。 しかし、こうした原理的な問いや考察を不可能とみなす哲学もあるし、そもそも合理的あるいは論理的に考えるということの意味を問題にする哲学もあるので、「哲学」という言葉を一義的に定義するのは不可能に近い。 以下の叙述では西洋の哲学の発端から現代までをあつかうことにし、それ以外の地域の哲学については以下の項目を参照されたい。→ イスラム教:ヒンドゥー教:仏教:中国哲学:道教:儒教
西洋哲学の発端は古代ギリシャである。オリンポスの神話と宗教の説明では満足できなくなった人たちが、前6世紀ごろから世界の根源的原理(アルケー)とはなにかと問いはじめた。 彼らは「自然について」という表題で著作をのこしたとつたえられているが、彼らが問題にした「自然(ピュシス)」というのは、今日のわれわれが考えるような「人為」や「社会」と対立する自然とはちがって、「存在するものすべての本性」を意味していたから、彼らこそまさしく「根本的に考える」ということをはじめて実践したといえよう。→ ノモスとピュシス
歴史的な記録がのこっている最初の哲学者はタレスである。彼は小アジアのイオニア地方のミレトスで前580年ごろに活躍した。後代の人たちからギリシャの七賢人のひとりとしてあがめられ、天文や気象をはじめとするほとんどすべての自然現象に興味をしめした。そしてすべての自然現象は唯一の基本的な物質の変化だと考え、この基本的物質は水だと主張した。水の蒸発と凝縮によってすべてを説明できると思ったわけである。
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