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    この項目では、道路や鉄道用などの土木構造物としてのトンネルについて記述しています。その他の用法については「 トンネル (曖昧さ回避) 」をご覧ください。

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    古代人のすみかだった自然の洞窟。 やがて人類は、自ら掘ることを覚え、トンネルが生まれました。そして、トンネルは、険しい山や崖、海峡など、大自然によって隔絶されていた地域間をつなげて、国と国、人と人を結びつけてきたのです。 ...

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トンネル

トンネル Tunnel
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

地表面下や水底、山岳を掘削して鉄道道路をとおすためにつくられる空間のこと。トンネルとしては、交通機関のほか上下水道用、油やガスの輸送用、ダム建設中にダム用地周辺の川の流れをかえるためのものなどがある。地下通路もトンネルの一種と考えられ、ふつう鉱山の内部のように、さまざまな深度で水平な通路をもうける。

II

歴史

世界最古のトンネルとつたえられているのは、前2000年ごろのメソポタミアの導水用トンネルである。これはカナートとよばれるもので、20~30mおきに立坑を掘削して地下で横につないだもので、幅60cm、高さ1.1m程度の地下水路を20km以上にもわたってほっている。

セミラミスという名で知られた王妃サンムラマトは、この地下トンネルによる灌漑を各地ですすめ、アッシリア地方の農業生産を高めたといわれる。ギリシャの歴史家ディオドロスは、最古の通路トンネルがバビロンにあり、ユーフラテス川を地下で横断していたと記述している。このトンネルは、記録によると幅4.6m、高さ3.7mの逆U字の形をしていて、延長は約1kmあった。工事はユーフラテス川をせきとめて流れを変更し、開削(オープンカット)工法でトンネルを建造してから、川を元の流れにもどした。煉瓦で組積みして、防水剤としてアスファルトを使用していた。その後の水底トンネルは、18年を要して1842年に開通したロンドンのテムズ川を横断するもので、現在は、地下鉄に利用されている。

以後地下トンネルは、地中海世界に広がり、エジプトとアッシリアにはさまれたユダ王国(現在のイスラエル付近)では、ヒゼキヤ王の治世(在位前727~前698?)に、長さ520m、幅0.6mの給水トンネルがほられた。エーゲ海のサモス島にも同様の施設の遺跡があり、つづくローマ時代(ローマ史)の土木技術に影響をあたえた。

ローマ人は土木工事を各地で熱心に推進したが、紀元100年には、帝国内にはりめぐらされた水道のうち約57kmがトンネルだったと記録されている。そのほかに南フランス、スペイン、ポルトガル北アフリカなど各地に水道施設を建設しているが、現在のナポリ郊外には1.5kmの馬車交通のためのトンネルもほっている。

中世ヨーロッパでは、1400年ごろにハンガリーで、5.6kmにもわたる鉱山の排水トンネルがほられている。物資輸送が活発になっていくと、航路トンネルとして運河がほられた。とくにイギリス、フランスでは短期間に多くの運河が建設されていった。産業革命の時代には、炭坑(石炭)の開発などでトンネル掘削技術が向上し、鉄道の発達とあわせて各地にトンネルがほられた。蒸気機関車用の最初のトンネルは、1826年から29年にかけて掘削されたイギリスのリバプールマンチェスターをむすぶものである。

III

日本のトンネル

日本では、1632年(寛永9)に金沢の金沢城に犀川(さいがわ)の水をとおす水路トンネルがほられ、66年(寛文6)には、箱根の外輪山にトンネルをほって芦ノ湖の水を静岡側まではこぶ工事がはじまり、4年間で1350mの箱根用水を完成させている。このほか江戸時代には、佐渡をはじめとして各地の鉱山開発のためにトンネルがほられている。

日本最初の鉄道トンネルは、1871年(明治4)に完成した東海道線大阪神戸間の石屋川トンネルだが、これはイギリス人技術者(お雇い外国人)の設計によるもので、川底が平地より高くなっているいわゆる天井川を貫通した延長61mのものだった。純国産といえる最初のトンネルは、80年に完成した大津京都間の逢坂山トンネル(665m)である。92年には、横川(群馬県安中市)と軽井沢をむすぶ碓氷峠に26カ所、合計総延長4459mのトンネルを完成させている。

1

日本の地質とトンネル

日本の地質は火山性のものが多く、岩質としてはトンネルを掘削しやすいが、地熱温泉の噴出という問題に直面する。北アルプスの焼岳乗鞍岳の中間にある安房峠(あぼうとうげ)を貫通する全長4.3kmの安房トンネルは、1991年(平成3)に着工されたが、調査段階で、最高温度が75°Cにもなると予測されていた。トンネル掘削中、何度か事故はあったものの、幸いなことに死者は出なかった。しかし、95年2月、取り付け道路工事中に火山ガスが突出する事故がおき、4人が犠牲となった。このような事故はあったが、トンネルは長野オリンピック前の97年12月6日に開通した。

また、日本列島全体がはげしい地殻変動をうけているので、ほりすすむうちに、断層に直面することが少なくない。青函トンネルでは、断層による出水になやまされた。さらに、日本の海岸線の多くは、火成岩からなっていて、風化しやすいという特徴もある。

1996年2月10日朝に発生した、北海道の古平町余市町をむすぶ豊浜トンネルの崩落事故は、火山灰がかたまってできた岩石の中に、地震や凍結による裂け目が広がって発生したものと推測されている。この事故では、推定2万7000tといわれる巨大な岩が、落石防止用のトンネルの延長部分を完全に破壊し、路線バス1台と乗用車1台をまきこんで、20人の死亡者を出した。救出にはダイナマイトがつかわれたが、軟質の岩のため爆破しにくく、遺体収容までに1週間を要した。

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