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個人や企業、政府に対して金融サービス(→ 金融)を提供する機関。広義の銀行とは、以下のいずれかの機能をいとなむ金融仲介機関である。すなわち、発券業務(現在、多くの国では中央銀行のみの業務)、預金および貸付業務、資金の決済業務、保証業務、投信業務、そして為替業務(→ 為替)である。これらのサービスは、中央銀行(日本では日本銀行)、商業銀行(日本では都市銀行と地方銀行)、信託銀行、投資銀行などのほかに、金融会社(ノンバンク)、生命保険会社によってもおこなわれている。 狭義では、銀行は金融を仲介し、とくに信用を創造する。狭義の銀行業には中央銀行、商業銀行、貯蓄銀行、相互貯蓄銀行、貯蓄貸付組合などがふくまれる。 多くの銀行は株式会社形態(→ 株式会社)をとっており、その株式は民間、政府、またはその両方によって保有されている。
お金の預け入れや資金の貸し付け、債務保証、そして為替など、銀行業務の多くはその歴史を紀元前までさかのぼることができる。中世になると、銀行は貸付業務だけではなく外国為替業務(→ 外国為替)にも従事するようになる。なかでもイタリアのフィレンツェのメディチ家は有名で、彼らは国際貿易金融にひじょうにたけていたことで知られる。最初の近代的銀行が設立されたのは17世紀で、スウェーデンのリクスバンク(1656)や、イングランド銀行(1694)が有名である。 近代的な銀行のモデルとなったのは17世紀のイギリスのゴールドスミス(金匠:金細工師)だといわれる。金匠は金の預託をうけ、金の所有者の求めがあればそれを返還していた。しかし、所有者によってひきだされるのは全預託額のほんの一部だった。そこで、金匠は利子をえるために残りの金を利用して一時的に貸し付けや手形割引をおこなった。やがて、金の預り証としての金匠手形が事実上の銀行券として流通するようになった。その結果、金匠手形の流通額は実際の金の預かり額をこえることになった。 この金匠の2つの特徴は、現在の銀行においても維持されている。第1に、銀行システムの預金通貨の合計額は銀行準備の額を超過する。この特徴は産業革命の原動力のひとつでもあり、現在においても経済成長に重要な影響をおよぼしている。しかし、過度の信用創造はインフレの原因になることもある。 第2に、銀行の貸借対照表(→ 財務諸表:会計と簿記)における負債(預金や借入)は、銀行の資産(貸し付けと投資)より流動性が高い。つまり、預金などの預け入れ期間は貸し付けなどの回収期間より短い。こうした特徴は、家計、企業、そして政府の財務活動を可能にするが、反面、金融危機を内包することにもなる。預金者による取り付け騒ぎがおこると、流動性の欠如により銀行は引き出しに応じられなくなる。銀行は支払いに応じることをやめるか、倒産するまで支払いに応じるかしかない。1935年にアメリカで設立された預金保険は、銀行倒産による預金の貸し倒れリスクを緩和するもので、銀行取り付けを防止する重要な役割をになっている。
日本の金融制度を抜本的に改革する日本版ビッグバンがすすみ、銀行業の内容が変化しているが、それは金融制度改革の項にゆずり、ここでは、日本の銀行業の歴史的性格についてふれる。第2次世界大戦後の日本の銀行業は分業主義、あるいは専門銀行制度として特徴づけられる。具体的には、長期金融と短期金融の担い手をわける長短分離規制や銀行業務と信託業務とを分離する規制によって、それぞれの銀行が専門分野に特化していった。また、銀行は原則として証券業務に参加できないという銀証分離規制もおこなわれていた。以下ではそれぞれの銀行の特色について検討していく。
普通銀行とは、短期の銀行業務をいとなむ商業銀行の一種である。普通銀行は、銀行法にもとづいて設立された銀行のうち、信託銀行と在日外国銀行をのぞいた銀行の総称であり、一般にその営業地域や預金規模により都市銀行、地方銀行、そして、第二地方銀行(旧、相互銀行)に分類される。 都市銀行とは、おもに大都市に本店および主たる営業基盤を有し、海外をふくめた各地に支店を有し、全国規模で銀行業務をいとなんでいる銀行のことである。みずほフィナンシャルグループ(2000年9月に誕生)のみずほ銀行とみずほコーポレート銀行(経営統合した第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が2002年4月に分割・再編して誕生)、三井住友銀行(2001年4月に住友銀行とさくら銀行が合併して誕生:三井住友フィナンシャルグループ)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(UFJホールディングス(UFJグループ)と三菱東京フィナンシャル・グループが2005年10月に合併して誕生)傘下の三菱東京UFJ銀行(東京三菱銀行とUFJ銀行が2006年1月に合併)、それにりそなグループ形成するりそな銀行と埼玉りそな銀行(大和グループとあさひ銀行が2002年3月に経営統合。03年3月に再編)などが、都市銀行とよばれている。 都市銀行は多数の支店を通じて預金を獲得しているため、都市銀行の預金量は全金融機関のおよそ4割を占めており、日本の民間銀行の中で中心的地位を占めている。また、都市銀行はあつめた預金を大企業に対する融資や有価証券投資にまわしている。しかし、最近の証券化の流れの中で、大企業が市場から直接資金を入手する(→ 社債)傾向が強まったことから、中小企業や個人向け融資にも積極的に参入するようになった。 地方銀行とは、大都市や中都市に営業基盤を有し、都道府県レベルで活動している銀行である。地方銀行は、その地域社会と密接にむすびついている。一般に地方銀行は、個人から定期預金などにより資金をあつめ、地元の中小企業に融資や有価証券投資をおこなっているが、都市銀行とことなり資金に余裕があるため、短期金融市場で資金の出し手になることが多い。 第二地方銀行とは、1989年(平成元)2月以降に相互銀行から普通銀行に転換した銀行である。第二地方銀行は地方銀行とくらべると規模は小さいが、営業基盤や業務内容、資金の調達と運用の形態は、地方銀行と同じである。
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