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写真

写真 しゃしん Photography
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

光によって、ひきおこされる化学変化で、感光面に恒久的な画像を記録する技術またはその画面のこと。

現代社会において、写真は情報手段としてメディア、科学やテクノロジー分野での手段、芸術形式、そして趣味として重要な役割をになっている。写真は、広告、ドキュメンタリー、フォトジャーナリズムなどさまざまな分野で使用され、商業や産業のあらゆる分野で活用されている。科学研究では、大気圏外の研究から原子を構成する素粒子の研究にいたるまで、写真には道具として大いなる信頼がよせられている。19世紀、写真は大型カメラとガラスの感光板を必要としたため、一部の専門家の領域であった。しかし、20世紀初頭、ロールフィルムとボックスカメラが開発され、写真は一般大衆の手のとどく存在となった。今日、写真産業はアマチュアやプロのカメラマンにむけ、数多くの種類のカメラやその付属品を提供している。映画

II

基本的技術

光は写真に不可欠な要素である。ほとんどすべての写真は、ハロゲン化銀(臭素塩素ヨウ素化合物ハロゲン化物)の結晶が感光性をもっていることをその基本原理としている。写真フィルムは感光乳剤(ゼラチンのうすい層)と、透明なニトロセルロースアセチルセルロース(酢酸セルロース)などの繊維素系、ポリカーボネートもしくはポリエステルのフィルムベースでつくられる。フィルムが露光すると、感光乳剤中のハロゲン化銀が化学変化をおこし、潜像(フィルム上の未現像な状態)を形成する。フィルムが現像液とよばれる化学薬品で処理されると、銀の粒子は露光した部分に像をつくりだす。露光量が多いと像をつくる粒子が多くなり、露光量が少ないと粒子も少なくなる。この方法でつくられる像は、被写体の明暗が反転しているためネガとよばれる。ネガは焼き付け処理されると再度反転し、ポジまたはプリントとなる。

したがって、写真とは化学的原理および物理的原理に基礎をおいている。化学的原理は光に対するハロゲン化銀の感応性であり、物理的原理は光の物理的現象(光学)に左右される。光は、電波ガンマ線X線赤外線紫外線をふくむ広範囲の電磁放射のうち可視部分のことをさす。人間の目は、狭い範囲の電磁波である可視光線のみをとらえる。そのスペクトルは全範囲の色調をふくんでおり、目は一番長い波長を赤、一番短い波長を青として認識する。

1

写真フィルム

写真フィルムは、可視光線のことなる波長をうけて化学反応し、潜像を生成する。初期の白黒フィルムは、可視光線のうち短い波長の青い光にのみ反応した。のちに長い波長の光に反応するハロゲン化銀をつくるため、感光乳剤に黄色の色素をまぜ、長波長の赤をのぞくすべての光に反応するオルソパンクロマチック・フィルムが開発された。これは、初期の単純なフィルムにくわえられた最初の改良であった。

つぎに改良されたパンクロフィルムには、長い波長の赤い光に反応する色素がくわえられ、すべての可視光線に反応するようになった。パンクロフィルムは、すべての色調を再現するため、今日つかわれているほとんどの白黒フィルムはパンクロフィルムである。

特殊用途のフィルムには、可視光以上の波長に反応するものがある。赤外線フィルムは可視光線にくわえ、目でみることのできない赤外線の部分にも反応する(後述の「赤外線写真」を参照)。

1947年にポラロイド・ランド社は、撮影後数秒間あるいは数分間で写真をつくりだす、インスタント・カメラを発表した。つかわれているインスタント・フィルムは、処理用の化学薬品と感光乳剤が特性のシートに一体化しており、露光、現像、焼き付けがすべてカメラの内部でおこなわれる。インスタント・フィルムは、従来のフィルムと同様、ハロゲン化銀の感光乳剤を使用している。フィルムが露光し、ネガ像がつくられたのち、ネガは印画紙と処理薬品にはさまれ、転写作用剤がネガ像を印画紙に写し、プリントをつくる。白黒用およびカラー用がある。

1 A

カラーフィルム

カラーフィルムは、色調の全範囲を再現することを目的としているため、白黒フィルムにくらべて複雑である。ほとんどのカラー・リバーサルフィルムとカラーネガフィルムの仕組みと構造は、イエロー(黄色)・マゼンタ(赤紫色)・シアン(青緑色)の三原色がたがいにむすびつき、補色して色彩を再現する、減色法の原理にもとづいている。フィルムは、3層のハロゲン化銀の感光乳剤で構成されている。いちばん上の感光乳剤層は青のみに反応する。その下は黄色のフィルター層で、青をさえぎり、2番目の感光乳剤層に緑と赤をおくる。この感光乳剤層は緑は吸収するが、赤は吸収しない。いちばん下の感光乳剤層は赤を記録する。

カラーフィルムが露光すると、3つの感光乳剤層のそれぞれに白黒の潜像がつくられる。現像処理中、白黒フィルムの現像処理と同様、現像液の化学反応が未化合の銀に実際に撮影された画像をつくりだす。シアン、マゼンタ、イエローの像を形成するため、現像液がおのおのの感光乳剤にまぜあわされた色素発色剤(カップラー)と化合する。フィルムを漂白すると、三原色がネガにのこる。カラー・リバーサルフィルムでは、最初の現像処理の間には未露光のハロゲン化銀の結晶を未化合の銀に転化せず、現像の第2段階で色素と銀をポジ画像に転化する。現像反応の進行をとめた後、フィルムを漂白し、画像をフィルム上に定着する。

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