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標高の低い地帯はブナ、オーク、カバノキなどの広葉樹林帯で、それより高所には、トウヒ、モミ、カラマツ、オーストリアクロマツなどが森林限界まで広がっている。標高の高い地帯では、エーデルワイスやリンドウ、サクラソウ、キンポウゲ、トリカブトといった高山植物が、わずかな期間だけ、かれんな花をさかせている。 野生動物は少ないが、シャモア、シカ、マーモットがみられる。かつては多数いたクマは、今日ではほぼ絶滅した。狩猟は、残存する種を保護するためにきびしく制限されている。 鉱物資源では、鉄鉱石、褐炭、マグネサイト、石油、天然ガスの埋蔵量が多く、黒鉛は高品質で世界有数の供給地でもある。量は少ないながらも、瀝青炭をはじめとして、鉛、亜鉛、銅などが産出される。
大半がドイツ系だが、一方でオーストリアは多民族国家でもある。これは、オーストリア・ハンガリー二重帝国時代の遺産といえる。ブルゲンラントには、多くのクロアチア人とハンガリー人がすんでいる。ケルンテンにはスロベニア人が、ウィーンにはチェコ人がいるほか、わずかながらイタリア人、セルビア人、ルーマニア人もいる。第2次世界大戦後に難民が流入したため、民族の数は増大し、その後トルコ人といった新しい集団もくわわった。 人口は820万5533人(2008年推計)、人口密度は100人/km²。人口の66%(2005年推計)が都市に居住し、人口の4分の1以上が5大都市のウィーン、グラーツ、リンツ、ザルツブルク、インスブルックにすんでいる。
オーストリアは、ブルゲンラント、ザルツブルク、シュタイアーマルク、ティロル、オーバーエスターライヒ、ニーダーエスターライヒ、ケルンテン、フォアアールベルク、ウィーンの9つの州(ラント)からなる連邦国家で、ウィーンは州であると同時に首都でもある。 最大の都市は、ドナウ川流域にあるウィーン(165万1437人(2006年推計))。このほかのおもな都市は、重工業の中心地グラーツ、ドナウ川沿いの港町リンツ、文化都市ザルツブルクなど。ティロル州の州都インスブルックは、アルプスの山にかこまれた街並みがうつくしく、ザルツブルクとともに観光客が多い。
人口の約74%がカトリック教徒である。プロテスタント5%、イスラム教徒が4%を占める。残りは、その他の宗教、無宗教など。 公用語はドイツ語である。人口の約2%がドイツ語以外の言語、主としてクロアチア語、スロベニア語、チェコ語、トルコ語を話す。
教育制度は全国共通で、公立学校の授業料や教材費は無料である。義務教育は6歳から9年間。基礎学校(4年制)を出たあと、2つのコースにわかれる。ひとつは、ハウプトシューレとよばれる中学校(4年制)をへて総合技術教育課程(1年)をおさめたあと、職業学校や企業で訓練をうける。もうひとつは、普通教育中等学校(8年制)にすすみ、最終学年で修了試験をうけて大学入学資格を手にする。どちらも、途中でコースを変更でき、職業上級学校から大学に進学するケースもある。 19の大学レベルの教育機関のうち、最大のものがウィーン大学(1365年創立)である。グラーツ大学(1586)、インスブルック大学(1669)、ザルツブルク大学(1622)なども長い歴史をもつ。ほかに、音楽・芸術大学、工科大学や医科大学、鉱山、農業、獣医学、商業の各単科大学、工芸と音楽の専門学校がある。
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