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数をかぞえ、加減乗除の計算をおこなう技法の体系。算術ともいう。算数(算術)をさす欧語arithmeticは、数をかぞえる技法というのが、もともとの意味である。この言葉は、ギリシャ語で「数」を意味するarithmos(アリトモス)と、「技法」を意味するtechne(テクネー)とをむすびあわせた語arithmetike(アリトメティケ)からきている。算数と数学の歴史については数学を参照。
算数で基本になるのは、1, 2, 3, ...という、ものをかぞえるのにつかう数である。こういう数を、自然数または正の整数という。1からはじめて、1ずつ次々に加えていくことで、自然数は無限につづく系列となる。歴史上さまざまな文明が、このような数をかぞえ、あらわす方法を、それぞれ独自に発展させてきた。現在のわれわれの文化では、そのうちの10進法(10進記数法)という、10倍ごとに数をまとめて勘定する体系が一般的になっている。以下の算数の計算については、この10進記数法で説明する。→ 記数法 数をかぞえたり表記したりする体系は、いうまでもなく数の計算方法と深くむすびついており、その規則だった操作の技法として算数(算術)が生まれ、数学全般の基礎となった。算数であつかうような技法は、たんに数学への初等的な入り口というだけでなく、現在のコンピューター・プログラミングに通じる考え方などもふくんでおり、あらゆる規則だった操作をあつかう技法の基礎といえる。 10進記数法は、10という基礎となる数(底という)をきめて、その10のべき(10や10 × 10, 10 × 10 × 10など)をもとに、数をあらわす方法である。1534を例にとって、考えてみよう。ここにならぶ数字は、それぞれの位置(桁(けた)という)によって、ちがう大きさをあらわし、右から1つずつ左へゆくにつれて10倍ずつ大きくなってゆく。いちばん右の桁が1の位で、その位置にある数字(ここでは4)を、そのままあらわす。その1つ左の桁は10の位で、その位置にある数字の10倍(ここでは3 × 10で、30)をあらわす。次の桁は10 × 10つまり100の位(ここでは5 × 100で、500をあらわしている)、いちばん左の桁が10 × 10 × 10つまり1000の位(ここでは1 × 1000で、1000をあらわしている)となる。こういう数の表し方(位取り記数法)をつかうことにより、算数の計算はわかりやすい規則にしたがって簡単におこなうことができる。
算数があつかうのは、数をかぞえ、表記し、演算する、系統だった方法である。演算とは、数と数とをむすびあわせて新しい数をつくる操作であり、足し算(加法)、引き算(減法)、掛け算(乗法)、割り算(除法)がある。これらの演算を一貫したものとして考えることができるように、自然数のほか、負の数、分数、無理数などの数もつかわれることがある。数の体系は、加法や乗法などの演算がみたす形式的な規則(演算規則あるいは代数構造)からも理解できる。→ 代数学
足し算は、数と数とを「+」(プラス)の記号でむすんで、たとえば
まず、いちばん簡単な1桁の数どうしの足し算の結果は、掛け算の「九九」と同じように、全部おぼえてしまう必要がある。足し算の場合は、次の表のようになる。
この表によって2つの数の和をもとめるには、最初の数を左の欄外にみつけて横方向にたどり、2番目の数を上の欄外にみつけて上から下へと縦方向にたどり、両方が交差する位置をよみとればよい。
もっと大きな数を、いくつも一度に足し算する場合についても、今の結果と簡単なルールをもちいて計算することができる。たとえば、27 + 32 + 49について考えてみよう。これらの数を、各桁がそろうように縦にならべ、次の形で書いておくと計算しやすい。
まず、右側にならんでいる1の位の足し算、(7 + 2 + 9)を計算する。この和は、18である。次に、その左の列、10の位にある数字を足して、(2 + 3 + 4)をもとめる。和は9になるが、これは10の位の数字を足したものだから、9の10倍、つまり90を意味する。このことを、次のように書くことができる。
このとき、1の位の足し算の結果のうち、10を単位としたまとまりは、10の位のほうにうつしてしまうと、計算がより簡単になる。つまり、18のうちの1の位の8だけを計算のおわった結果として書き、残りの10は次の10の位の計算にくみいれる。これを「繰り上がり」といい、10の位のいちばん上のところに1と書いておくと、次の計算がまとめてできる。ふつう、次のように書いて、計算をすすめる。
こんどは、10の位の足し算として、(1 + 2 + 3 + 4)を計算することになる。もちろん、最後の結果は同じで、108になる。3桁や4桁とか、さらに大きな数を足すときも、同じ方法で計算できる。
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