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社会規範の一種。法律という語が法と同義でつかわれることもある。日本の現行制度では、法は、国会が制定する法形式のひとつである法律のほか、憲法・条約・議院規則・政令・最高裁判所規則・条例・慣習法という形式で存在する。このような法の形式を、何が法かをひきだす源泉かという意味で法源というが、判例や条理(ものの筋道)が法源かどうかには争いがある。
ひとつの有力な定義(強制説)によれば、法とはその違反に対し組織的強制がくわえられる規範である。たしかに、すべてではないにしろ、法の基底的部分に改める。このような規範からなりたっており、強制の要素は、法が習俗・道徳などほかの社会規範から分化する契機となっている。人間が複数、接触・交渉して生活するところでは、人々の共同生活を害する紛争や反社会的行為(犯罪)の危険はなくならないのが現実である。これらを禁じる規範(行為規範。たとえば「ぬすみをすべきでない」など)に強制の裏付けをあたえる必要がある。 しかしその強制そのものの行き過ぎがないようにする必要もある。そこで正当な強制力の行使の条件を明示する規範(強制規範。たとえば「ぬすまれた物は力づくでもとりもどすべきである」「ぬすみをした者は10年以下の懲役に処すべきである」など)が生みだされる。「目には目を、歯には歯を」といった言葉にもその種の法の萌芽的要素をみることができる。やがて不法な事実があったか否かの判定を中立公正に権威的におこなう裁判所が創設され、ついでその判断にもとづいて強制力を行使する仕事(強制執行や刑罰の執行)を、国家の執行機関が当事者らにかわり独占的におこなうようになって、法制度の原型ができた(→ 訴訟)。 しかし近代の法の役割は強制により市民間の秩序を維持することだけではない。法は契約、遺言、会社設立など市民の社会生活に積極的に役だつ種々の制度も提供している。さらに国会、裁判所、内閣をはじめ各種の公的機関を創設し権限を付与すること、その活動のための手続きや方針をさだめることも法によってなされている。 近代国家では、司法権だけでなくひろく公権力の行使は法にもとづいておこなわれることが原則とされており(法の支配または法治国家の原則)、一般市民の自由を保障するために公権力の恣意(しい)を防止することが法の重要な役割となっているのである。 現代では、国家をはじめとする公的機関の活動は拡大・多様化したが、その適正さを保障する法のはたす役割もますます増大している。このような法の発展の前提には、意図的な法の定立・変更すなわち「立法」がおこなわれるということがある。この点も法の社会規範としての特徴のひとつである。
以上のように、法は歴史的に形成されたさまざまな規範をふくみ、複雑多様な機能をはたしているのであり、また定義は何のための定義か、何が重要かによってもかわってくる。したがって、時代を近代以降にかぎっても、すべての法現象にあてはまるような法の定義を提出することは困難である。 これまで上述の強制説(ケルゼン)のほか、道徳が内面を支配するのに対し外面を支配するものが法であるとする説(カント)、倫理の最小限度が法であるとする説(イェリネック)、法は主権者の命令であるとする説(ジョン・オースティン)、などが説かれてきたが、いずれも難点がある。 最近では、義務を賦課するルール(第1次ルール)と、第1次ルールの認識・変更・裁決をなすルール(第2次ルール)との結合をもって法の核心とする見解(ハーバート・ハート)、さらに法実践の「解釈」という作業こそ法の核心とする見解(ロナルド・ドゥオーキン)が注目をあつめ、論争がつづけられている。
法は種々の観点から分類される。
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