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石油

石油 せきゆ Petroleum
百科事典項目
項目構成
1 A

パラフィン系炭化水素

パラフィン系炭化水素は、鎖状の飽和炭化水素で、同じ沸点の他の炭化水素にくらべて、比重(密度)、粘度(粘性)、温度による粘度変化が小さく安定している。このパラフィン系炭化水素を主成分とするパラフィン基原油からは、オクタン価が低く、あまり良質でないガソリンしかできないが、ガソリンのえられる率は高い(→ガソリンの「オクタン価」)。しかしパラフィン基原油は、良質の潤滑油の原料となり、灯油、軽油、重油はもえやすいものができる。また沸点の高いものは、結晶してパラフィン(石蝋(せきろう))をつくる。

1 B

ナフテン系炭化水素

ナフテン系炭化水素は、環状にむすびついた飽和炭化水素で、常温では安定しているが、高温になると触媒の働きで芳香族系炭化水素にかわりやすい性質がある。このナフテン系炭化水素を主成分とするナフテン基原油から、ガソリンをえられる率は低いが、改質して高オクタン価ガソリンをつくったり、石油化学製品の原料となる芳香族系炭化水素をつくることができる。また粘度が低いので潤滑油原料にはむかないが、アスファルト分を多くふくんでいるためアスファルト基原油ともいわれ、残油はアスファルトの原料となる。

1 C

オレフィン系炭化水素

オレフィン系炭化水素は、鎖状の不飽和炭化水素である。天然原油には微量しかふくまれないが、分解油などには比較的多くふくまれ、分解ガソリンはオクタン価が高く、オレフィン系のエチレンプロピレンなどは反応しやすいので、石油化学製品の重要な原料となる。また芳香族系炭化水素は、環状の不飽和炭化水素であるため化学的に反応しやすい性質をもち、なかでもベンゼントルエンキシレンはよく知られている。比重はもっとも大きく、改質ガソリン、特殊溶剤などに多くふくまれ、オクタン価が高いことや反応しやすいことから、高級ガソリン、石油化学原料などに多くつかわれる。

以上のほか、硫黄分の多少によって原油を分類する仕方もあり、硫黄分の多い原油をサワー原油、硫黄分の少ない原油をスイート原油という。日本の主要な輸入原油のうち、中東系原油は一般にパラフィン基でサワー原油が多く、インドネシア系原油は中間基でスイート原油が多い。

IV

探鉱と開発

石油の探鉱、開発では、まず対象地域の事前調査、鉱業権申請、利権交渉、入札などの手順や手続きをふみ、鉱業権を取得する。はじめに、航空写真解析、航空機による磁気探査、重力探査などの広い地域の地質調査がおこなわれ、次に地下堆積物の地表露出箇所での地表調査やサンプリング、地化学分析、古生物調査、堆積学分析などが実施されて、経済性が評価される。精密な調査の地震探鉱は、地表に穴をあけて人工的におこした衝撃波を測定して油田構造の存在を調査する。また、地層の電気伝導度を調査する方法もある。資源探査

これらの調査結果を総合的に判断して、試掘する。試掘の深度は3000~4000m、ときには5000mにも達することがある。その試掘の結果、うまく油ガス層が発見されると、埋蔵量を計算し、採算性を調査する油層評価をおこない、開発が決定されたのち、詳細な開発計画と生産計画を策定することになる。しかし、試掘によって石油を発見する確率は10分の1、さらに商業的にじゅうぶん採算がとれる油田を発見できる割合は、100本の試掘のうち2~3本程度だとされる。

V

原油の埋蔵量

地中の油層にある石油の量を埋蔵量といい、原始埋蔵量と可採埋蔵量の2つに大別される。原始埋蔵量は、資源量ともいわれ、油層内にある石油の総量をあらわす理論的な値であり、既発見量と理論的に算出される未発見量の総和である。

可採埋蔵量は、実際に開発された油田ですでに発見されている量であり、経済的に採取可能な石油の量である。掘削によって資源の存在が地質的、油層工学的に確実と判断され、もっとも信頼度の高い可採埋蔵量を確認埋蔵量という。また掘削で確認されてはいないが、同一の油田構造で資源の存在が類推できるものを推定埋蔵量、未試掘ではあるが近くの油田とガス田の存在から類推して資源の存在が予想できるものを予想埋蔵量という。

確認埋蔵量は、開発された油田で存在が確認されている石油資源のうち、その時代の技術と経済性を前提にして、採掘可能な資源量と定義することもできる。この確認埋蔵量に対して、未発見の油田をふくめた全地球の原油埋蔵量を究極埋蔵量(究極可採埋蔵量、究極資源量)という。

原油の年生産量Pに対する確認埋蔵量Rの比(R/P)を可採年数とよび、石油資源の寿命を推定する目安とされている。ちなみに、2007年末現在の世界の確認埋蔵量の上位5カ国は中東に集中しており、サウジアラビア(3630万t)、イラン(1900万t)、イラク(1550万t)、クウェート(1400万t)、アラブ首長国連邦(1300万t)の順となっている。

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