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農作物および園芸作物の改良種を開発するため、遺伝的原理を実際に応用すること(→ 遺伝学)。動物でも酪農やペットの世界で品種改良がすすんでいる。品種改良家たちは、在来の作物を新しい地域や用途に適応させ、収量をふやし、病気に対する耐性をまし、果物や野菜の栄養価や香りを高め、さらには食物の保管・運搬および加工に有利な特性を強化する。1960年代および70年代には、小麦および米の改良種が発展途上諸国での緑の革命とよばれる食料事情の改善に重要な役割をはたした。観賞植物の世界では、品種改良家たちは、生命力が強く、品種や形、色が豊かで見映えのする花を開発している。
石器時代に、人類は収穫期に翌年の種まき用にすぐれた個体から大きな種子をえらぶ選別淘汰(とうた)によって作物を改良してきた。数千年もの間これをくりかえすことで、彼らはさまざまにあったイネ科の草やマメ科の植物をトウモロコシ、小麦、大豆などの作物にかえた。18~19世紀には、作物改良の効率化がはかられた。アメリカの園芸家バーバンクの手法などで、淘汰と試行錯誤をくりかえすことでかなりの進歩がみられた。メンデル、ド・フリースなどの研究によって遺伝学は発展し、20世紀初頭、品種改良の学問的基礎がかためられた。以来、品種改良は高度化し確率が高まり、品種改良家たちは予測どおりの結果や一様な品質をえられるようになった。 品種改良家たちはさまざまな技術をつかって新種を開発するが、開発の基本技術は選別淘汰、交配、そして突然変異の利用である。
同じ種に属する個体でも、さまざまな性質が大きくことなる。これらの特性の多くは遺伝によるもので、子孫につたえられる。品種改良家たちは、次代にうけつがせたい特性をもった植物を選別し、おとった植物を排除した。そのような選別を何世代にもわたってくりかえし、品種改良家たちはその個体群をのぞましい方向へかえてきた。
交配では、ことなるタイプの株や植物をかけあわせ、子孫のうちで両親ののぞましい特性を結合させる。この結合にはのぞましくない特性もはいりこむが、交配ののち選別を何世代かくりかえすことでのぞましくない個体を排除し、のぞましい特性の植物だけをえることができる。 よくもちいられる交配の方法に戻し交配がある。この方法は、のぞましい品種に親植物のある有益な特性をうつそうとするときによくつかわれる。まず親の間で雑種をつくり、その雑種をのぞましい親のほうと交配する。この戻し交配で生まれた子孫は、ふつうたがいに大きくことなり、両親の特性をさまざまに混合してもつ。戻し交配と選別をつづけることでのぞましい特質を純化していき、はやければ6~7世代のうちにその品種は1つの型におさまり、新しい特質をしめすようになる。戻し交配は、作物に病虫害に対する耐性をつけたいときにとくに有用である。 のぞましい性質が雑種の植物にえられ、その植物を、芽接ぎ、接ぎ木、挿し木などの無性生殖によって増殖させられるようになれば、それ以上の選別は必要なくなる。雑種のリンゴは接ぎ木によって増殖するので、できるリンゴの木はすべて同じようなものになる。 交配種はしばしば、どちらの親植物よりもよくそだつ。この現象は雑種強勢とよばれ、品種改良で作物の収量をふやそうとする際にひろくもちいられる。ハイブリッド種子によって、アメリカでのトウモロコシの収穫量は2倍となり、現在、アメリカとヨーロッパで生育するトウモロコシのほとんどが、ハイブリッド種子によっている。雑種繁殖は近年ますます普及し、現在では交配種は、トウモロコシ、モロコシなどの穀物、キャベツ、トマト、カボチャなどの野菜、多くの花の栽培で日常的につかわれている。
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