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火薬を特殊調合し、空中にうちあげて爆発させたり、筒にいれて噴出燃焼させ、その際に発する音や光、色彩などのようすを鑑賞するための発火性物質。軍事用の照明弾や発煙装置も花火の一種と考えられる。公的には信号用や産業用のものもふくめて煙火と総称され、製造、貯蔵、販売などは火薬類取締法で規制されている。
花火の基本成分は、硝酸カリウム(硝石)などの酸化剤と、酸素と化合して熱や光を発する木炭、硫黄などの可燃性物質である。硝石、硫黄、木炭の混合物は黒色火薬とよばれ、軍事目的にも使用された。1800年以降は、硝酸カリウムの代わりに、塩素酸カリウムもつかわれるようになり、現在でも塩素酸カリウムあるいは過塩素酸カリウムは、ほとんどの花火で火薬の主要成分になっている。 また、薬剤にはさまざまな金属や金属化合物が調合されている。これは、燃焼すると発色する、金属元素の炎色反応を利用して、花火の炎に色をつけるためである。ストロンチウム(赤)、ナトリウム(黄)、酸化銅(青)、硝酸バリウム(緑)、アルミニウム(金色)、チタン(だいだい色)などがよくつかわれる。
ほとんどの花火は、紙製のケースに可燃物や酸化剤をつめてつくられる。その中でもっとも精巧につくられ、もっとも華やかなのは打ち上げ花火である。これは火薬の爆発力あるいはロケットの推進力を利用して打ちあげられ、空の高いところで爆発し、さまざまな光と音を演出する。とくに、日本の打ち上げ花火は、形の多様さや美しさで世界的にも有名である。 日本の打ち上げ花火は、まず本体の花火玉内部の中心に和紙でつつんだ黒色火薬(割り薬)をいれ、その周囲には、色をだす薬品と黒色火薬とを調合した「星」とよばれる小さな玉を配置する。最後に、外皮とよばれる和紙を規則ただしく外側にはりつけて、球体にまとめる。 花火をうちあげる際には、まず打ち上げ筒の底に打ち上げ用の黒色火薬をいれ、その上に花火玉をいれる。筒の中に火のついたマッチをなげいれると、黒色火薬が最初に発火し、花火玉がうちあげられる。花火玉本体の導火線には、打ち上げ用の黒色火薬に点火する前に点火しておく。 花火玉本体にいれられた割り薬は、ちょうど300m上空あたりに達したころに導火線から点火し、爆発する。次にその爆発でとびちった星が、数秒間おくれて爆発し、夜空に大輪の花をさかせる。球形の割物花火は、日本独特の技術により完成した花火の傑作で、欧米でも評価が高い。花火玉は、直径1尺(30.3cm)のものを尺玉とよび、これが代表的な大きさである。かつては3尺玉もあったが、危険がともなうため、現在ではほとんどつかわれていない。 そのほか打ち上げ花火には、上空で花火の玉が2つにわれて、中の詰め物がこぼれおちる「ポカ玉」や、昼間にうちあげる音の大きな「雷(らい)」とよばれるものなどがある。
仕掛け花火では、大きな木枠に火薬をとりつけ、点火すると絵や文字があらわれる「枠物」や、「ナイアガラ」で有名な「滝」がよく知られている。そのほか、何発もの花火を連続してうちあげるスターマイン、一定間隔で花火玉や星(火薬の塊)を発射する乱玉花火(ローマンキャンドル)、輪の周りにとりつけた花火が回転する火車なども仕掛け花火にふくまれる。花火大会などでは、これらの花火をくみあわせて華麗に演出した仕掛け花火が多い。
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