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ヘルペスウイルスによっておこる感染症で、大きくわけて、単純ヘルペスと帯状ヘルペスがある。疱疹(ほうしん)ともいう。 ヘルペスは水ぶくれができる皮膚疾患に対してつかわれている。
単純ヘルペスをおこすウイルスは1型と2型にわけられる。1型はおもに口唇ヘルペスを、2型はおもに陰部ヘルペスをおこす。口唇ヘルペスは、風邪やインフルエンザ、肺炎などで熱がでた後などにあらわれ、口のまわり、唇、鼻、顔、耳、口の中、咽頭に小さな水ぶくれができる。ウイルスは、顔面神経節という神経の一部分にひそんで、発熱、日光、ストレスなどの刺激をうけるとふえ、再発をくりかえす。消炎鎮痛薬の服用や、軟膏(なんこう)などで治療する。 とくに癌(がん)のような病気で体が弱っていると、ウイルスが中枢神経系にもはいりこんで、脳炎をおこす。この脳炎の死亡率は高いが、ウイルスの増殖をおさえる働きをする薬アシクロビルでできるだけはやく治療すると、効果がある。 陰部ヘルペス(→ 性行為感染症)は性行為によって感染する病気で、最近ふえている。はじめ陰部にひりひりするようなかゆみを感じ、やがて小さな水ぶくれが次々にできて、痛みやかゆみがひどくなる。頭痛や熱がでることもある。水ぶくれは1~3週間でやぶれ、かさぶたになる。妊娠している女性が感染すると、出産のときに産道で胎児に感染し、命にかかわる危険性が高いため、帝王切開をおこなうことが多い。
帯状ヘルペスウイルスに感染しておこる病気だが、このウイルスにはじめて感染したときは、帯状ヘルペスではなくて水疱瘡(みずぼうそう)となる。このときにウイルスが神経節にひそみ、その後何年もたってから、なんらかのきっかけで姿をあらわし、神経をとおって皮膚に小さな水ぶくれをつくる。帯状ヘルペスは、ウイルスにおかされた神経が影響をあたえる皮膚だけに帯状におこるもので、体の片側にかぎられる。背中、胸やおなか、顔などにおもに発生する。 はじめ皮膚がひりひりするような痛みを感じ、数日たつと突然小さな水ぶくれがたくさんできる。水ぶくれははじめは透明だが、2~3日すると膿(うみ)をもち、やがてかさぶたをつくって、5~10日後にかわく。水ぶくれができてからなおるまで約3週間かかる。神経の痛みはひじょうに強く、水ぶくれがなおるまでつづく。高齢者などでは神経の痛みはおさまらず、何年にもわたってつづくことがある。ヘルペスが目に感染すると、角膜炎をおこすことがある。 治療は、アシクロビルを大量に投与すると、症状は軽くなり、ヘルペスも自然になおる。重症の場合はステロイド剤をもちいる。痛みがつづく場合は、薬か手術で神経をブロックして、神経の働きをおさえる。 癌や白血病などで免疫力が低下している場合や、免疫抑制剤をつかっている患者にとっては、帯状ヘルペスにかかると致命的となることがある。そのため日本では、白血病の子供たちに対して予防ワクチンの接種をおこなっている。
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