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  • チョウとガ

    チョウ・ガ(鱗翅)類のコレクションは、戦前に収集された佐竹正一氏と久保猪之吉博士による日本および世界のチョウの標本が基礎となっています。 20世紀初頭の昆虫類標本でわが国に残されているものは少数です。

  • モルフォチョウなどその他チョウとガの仲間/世界の珍奇・美麗 ...

    チョウとガは分類学的に区別されているわけではなく、チョウ目昆虫のうち一部の科のものを「チョウ」、その他を「ガ」と便宜的に区分しているに過ぎません。 いずれ機会を見てガの仲間も紹介したいと思いますが、このチョウシリーズの最後に ...

  • チョウとガの違いについて

    著作:『蝶の図鑑(www.j-nature.jp)』 チョウとガの違いについて ... アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、コバネガ上科、スイコバネガ上科、コウモリガ上科、モグリチビガ上科、マガリガ上 ...

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チョウとガ

チョウとガ(蝶と蛾) Butterflies and Moths
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

昆虫の仲間では甲虫目につぐ大きなグループ。すべて鱗粉のある膜質の翅(はね)をもつことから鱗翅類に分類される。チョウとガは、ふつう色や斑紋(はんもん)のあざやかさ、胴の太さ、昼行性か夜行性かでおおむね区別される。しかし、たとえば、ガで昼行性のものもいるし、チョウで翅をひらいてとまるものもいるといったように、これらの区別はあくまでも便宜的であり、チョウとガの間にはっきり線をひくことはできない。ほとんどの種の成虫は、発達した1対の複眼、吻(ふん)とよばれる長い渦巻き状の液体をすいあげる管からなる口器、よくめだつ触角をもつことが特徴である。

II

ライフサイクル(生活環)

チョウとガの仲間は、完全変態をへて成長し(昆虫変態)、一生は4段階にわかれる。すなわち、卵、幼虫(幼生)、、成虫である。交尾をおえると、ほとんどの種のメスの成虫は、ふつう、幼虫にとって孵化(ふか)後の食料となる植物に卵をうみつける。中には、幼虫が捕食者(捕食)となる種もいくつかある。たとえば、アブラムシを食べるものや、アリの巣にすみアリの幼虫を食べて、アリと複雑な関係をたもつものもある。貯蔵穀物ばかりでなく、羊毛の衣類まで食べるものもいる。

幼虫は、伸縮性のある円筒状の体、単眼、かみ型の口器(昆虫の「体の構造」)、胸部に3対の真の脚と通常は腹部に5対の腹脚(偽脚)をもつ。幼虫はひたすら食べつづけ、周期的に脱皮をし、元の大きさの何百倍にも成長し、まゆをつむいで蛹の段階をむかえる。蛹の時期に、幼虫の体の構造は完全に変化し、内部組織が再編成され、成虫の外部構造が形成される。

成虫は、花蜜花粉、くさりかけた果物、死肉、糞、尿をはじめとする植物や動物の浸出物など、さまざまなものを食料とする。ほとんどの種は、花蜜を活発にさがしまわるため、花から花へ花粉をはこぶうえで役だち、植物の繁殖をたすけている。キチョウをはじめとする多くの種では、花蜜がないと産卵できない。花蜜なしで産卵できる種でも、蜜をあたえなかったメスはあたえられたメスの半分の卵しかうまない。ガの中には、成虫の口器が機能せず、栄養をとることなく産卵をおえる種もいくつかある。

III

生息環境と生息域

幼虫の食草(食料とする植物)は、1種または近縁の数種にかぎられることが多い。このようにかぎられた植物と緊密な関係をもつために、多くの種はそれぞれ特定の生息環境にあつまり、その群れごとに孤立している。より広範囲に生息する種は、とくに広範囲に分布する植物や雑草に産卵するものが多い。オオカバマダラをはじめ、好みの地域で集団となって越冬するために、数千キロメートルも移動することがある種もいくつかある。

種によっては、食草をめぐる幼虫間の競争が、個体数の増減サイクルを生じるものもある。個体数が爆発的に増加したかと思うと、突然ほとんどの個体が死亡する「崩壊」がおきるのである。またある種では、個体数の変動は、おもに気候条件に左右される。

チョウとガは、ツンドラから熱帯雨林、海水面以下から海抜6000mの高地にいたるまで、さまざまな環境に生息している。もっとも種が豊富な熱帯地方では、年間を通じてその姿をふんだんにみることができる。よい天候がつづき資源も豊富であるために、幼虫は急速に生育し、成虫の期間も長く、1年に15世代も誕生することがある。

しかし、温帯性の生息環境では、きびしい気候条件をさけるために、その生育過程には休眠期とよばれる不活発な時期がある。休眠期は、卵、幼虫、さなぎ、成虫のいずれの段階にもみられることがある。雪の多い気候では、冬季の休眠がよくみられる。あつく乾燥した地域では、夏季の休眠(夏眠)がみられる。一般に、温帯地域では、幼虫の生育がおそく、成虫期が数日から数週間にすぎないことがよくある。高山や北極地方の生息環境では、年間のうち成長できる時期が短いために、生育に2年かかる種が多数ある。

IV

特徴

チョウとガを区別する絶対的で一貫した特徴というのものはない。一般に、チョウは、先が棍棒状になっていて鱗粉のない糸のような触角をもつ。翅は明るい色であることが多く、交尾の際にはその色や模様が、相手を認識し求愛するうえで重要な役割をはたす。ほとんどすべてのチョウは昼間とびまわるが、熱帯には夜明けや夕暮れ時にとぶものもあり、夜行性のチョウもわずかだが生息する。チョウは、世界で約18000種、日本では約230種が確認されている。トリバネチョウという世界最大のチョウは、翅の開張が最大で25cmにもなる。最小のチョウは翅の開張が1cm以上にならない。

ガは、触角の形態がさまざまで、羽毛状のものが多い。とくに日中にとびまわるガの色彩はあざやかであるが、大多数は茶系のくすんだ色合いである。オスは、メスが特殊な腺からはなつ強力な化学物質による信号(フェロモン)にひきよせられることがしばしばある。ほとんどのガは夜間にとびまわるが、とくに夜間の気温が氷点下にまでさがるような寒冷な気候では、日中にとびまわるものも多い。

ガが夜間に光源にひきよせられるのは、反射行動によるものである。光をうけた側の翅の動きがにぶくなるために、その方向に向きをかえることになるのである。現在、命名されているガは13万種いるが、おそらくそれ以上のガが生息していると考えられる。日本では、いまのところ約4500種が確認されている。最大型のガはアジアに分布する属のもので、翅の開張30cmをこえる。最小型のガの翅の開張は、数ミリメートルにすぎない。

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