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大気が惑星表面の温暖化にはたす役割。大気は太陽の可視光線周辺の放射エネルギー(太陽エネルギー)のほとんどを透過させ、これらは地球表面に吸収される。そして、エネルギーの多くは、可視光線よりも波長の長い赤外線となって地球表面から宇宙にむかってふたたび放射される。しかしこの赤外放射エネルギーは、大気中の水蒸気や二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)や一酸化二窒素(N2O)、フロン、オゾン(O3)などの気体に吸収され、熱として放射され、ふたたび地球表面をあたためる。大気のこうした作用は、大気や地球表面の放射冷却をやわらげる効果があり、温室のガラスと同様な作用をもつことから、温室効果とよばれている。 もし、大気による温室効果がないと仮定すると、地上にそそぐ太陽エネルギーと地表の状態から、地球表面の温度は、-18°C程度になる。実際に観測される地表面の温度は、平均して約15°Cなので、大気による温室効果が33°Cあるといえる。
石油、天然ガス、石炭などの化石燃料の使用によって、大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命前の280ppmから2005年の379ppm程度と約1.4倍に増加している。熱帯林(→ 熱帯雨林)の伐採など森林の減少も、二酸化炭素濃度の増加の原因となっている(→ 炭素循環)。またメタンは、産業革命前の715ppb(ピーピービー:10億分の1。体積の10億分率)から1774ppbへと約2.5倍へと急増。フロンは産業革命前には存在しなかった物質であるが、今日では大きな温室効果をあたえている。 このような地球規模の温室効果ガス濃度の上昇は地球温暖化をまねいている。また、温暖化の結果として、世界じゅうの気候をかえ、農作物の収穫に影響をおよぼし、砂漠を拡大させ(砂漠化)、極地やヒマラヤやアルプスなどの高山の氷河がとけることと海水の熱膨張により海水面を上昇(→ 海進と海退)させることになる。こうしたことがおこれば、世界の多くの人々が食料や飲料水の不足、洪水(→ 洪水調節)、マラリアなどの感染症の拡大による健康の悪影響をうけることになる。そのため、地球温暖化に対処するために、1992年に気候変動枠組み条約がむすばれた。さらに、97年には先進国における温室効果ガス排出量の具体的な削減を義務付けた京都議定書もむすばれた。 2007年に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書では、地球規模で大気や海洋の温度の上昇、雪氷の融解や海水面の上昇が観測され、地球の温暖化がおこっていることはまちがいないと断定した。この地球温暖化の原因は、産業革命以降の化石燃料の使用、農業、森林減少などの人間活動にある可能性がきわめて高いとのべている。そして、このまま化石燃料に依存しながら高い経済成長をはかる社会がつづくと、21世紀末には、気温が2.4~6.4°C、海面は26~59cmも上昇する。しかし、環境の保全と経済の発展が両立する社会に転換していけば、気温が1.1~2.9°C、海面が18~38cmの上昇にとどまるとしている。
地面から放射される赤外線を吸収する性質をもつガス(気体)のことを温室効果ガスという。温室効果ガスには、水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、オゾン、ハロカーボン類(フッ素などのハロゲンと炭素、水素の化合物で、フロンや代替フロン類(クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハロンなど))、六フッ化硫黄(SF6)などがある。このうち、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄の6つのガスは、京都議定書で規制の対象になっている。また、CFC、HCFC、ハロンなどは、オゾン層の破壊物質でもあるためモントリオール議定書でも規制されている。 これらの温室効果ガスの濃度が増加することによる地球温暖化への寄与度は、二酸化炭素がもっとも大きく、ついでメタンや、CFCなどのハロカーボン類、一酸化二窒素となっている。
京都議定書の対象となる6種類の温室効果ガスの日本の2005年度(平成17)総排出量は約13億6000万t(CO2換算、以下同じ)で、04年度にくらべ0.2%増加した。京都議定書では、日本の温室効果ガスの排出量を基準年である1990年(HFC、PFC、SF6については1995年)の排出量(12億6100万t)から6%削減することになっているが、2005年度の排出量は7.8%うわまわっている。 二酸化炭素の排出量は12億9300万t(1990年度比、13.1%増)と過去最高であり、日本の温室効果ガス排出量全体の95%を占めている。内訳は、工場などの産業部門が二酸化炭素排出量全体の35.2%(2004年度比、2.4%減。1990年度比、5.5%減)、自動車の排ガスなど運輸部門が19.9%(2004年度比、1.8%減。1990年度比、18.1%増)、オフィスなど業務部門が18.4%(2004年度比、3.8%増。1990年度比、44.6%増)、家庭部門が13.5%(2004年度比、4.0%増。1990年度比、36.7%増)、などであった。 二酸化炭素以外の排出量は、メタン2410万t(1990年度比、27.9%減)、一酸化二窒素2540万t(1990年度比、22.0%減)、HFC 710万t(1995年度比、64.7%減)、PFC 570万t(1995年度比、59.6%減)、SF6 410万t(1995年度比、75.7%減)である。
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