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項目構成
金属の原子価は、ほとんどの金属化合物でプラスの値をとる。このことは、金属元素が他の原子に電子をあたえて、金属結合(化学結合の一種)することを意味している。また金属の酸化物は塩基性をしめす傾向がある。一方で窒素、硫黄、塩素など典型的な非金属元素の原子価は、ほとんどの化合物でマイナスの値をとる。すなわち非金属元素は他の電子をうばって化学結合をつくり、非金属元素の酸化物は酸性をしめす。 金属原子は、原子から電子を放出するのに必要なイオン化エネルギーは小さいので、化学反応でたやすく電子をうしない陽イオンとなる。つまり、金属原子は電子をあたえる還元剤として作用し、プラスの電荷をもった金属イオンは塩化物イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO42-)、炭酸イオン(CO32-)などの陰イオンとむすびついて塩をつくるのである。→ イオン:イオン化:イオン化傾向
高い熱伝導性・電気伝導性をもつ金属の性質から、科学者は金属の電子構造を推定しようとした。最初に考案された電子構造のモデルは、「プラスの電荷をもった個々の金属の原子核の周りに、マイナスの電荷をもった自由電子の海が均質に広がっている」というものだった。金属原子の間にはたらく結合力は、プラスの電荷をもつ金属原子核とマイナスの電荷をもつ自由電子の均質な海との間にはたらく静電気的な力によるものとみなされた。金属が高い伝導性をもつことの原因を、自由電子の動きによるものだとしたのである。しかし、このモデルにしたがって計算すると、金属の比熱は実際よりも高い値となってしまう。 1928年にドイツの物理学者アーノルト・ゾンマーフェルトは、金属の電子は量子化(→ 量子)された特定の電子軌道のみをうごくとして、新しいモデルを提案した。このモデルによると、金属原子の電子軌道は、完全に電子でみたされた低いエネルギー状態の軌道と、部分的に電子でみたされた高いエネルギー状態の軌道とにわけられる(→ 原子:量子論)。このモデルは同年、スイス系アメリカ人科学者フェリクス・ブロッホによって、さらに後にはフランスの物理学者レオン・ブリュアンによってとりいれられた。今日では、このモデルを発展させたバンド理論によって、金属固体の電子構造が説明される。
バンド理論によると、価電子として隣接する原子との結合にあずかるのは、金属の電子の一部だけである。価電子の属する電子軌道は隣接する個々の原子の間で重なりあい、価電子は別々の原子によって広範囲にわたって共有されることになる。つまり電子軌道の重なりで金属全体をおおう巨大な電子軌道が生まれ、価電子はひとつひとつの原子からはなれ、広がった電子軌道を自由にうごくようになるのである。1個1個の原子の電子軌道はさまざまなエネルギー状態にあるため、金属全体をおおう電子軌道の集合体は帯のように連続したエネルギーの分布をしめす。これをバンドとよぶ。 ひとつひとつの原子は、特定の数の電子にかこまれることで安定な状態になる。電子が特定の数に達しない場合、原子は空の電子軌道をもつとみなすことができる。電子が空の軌道をうめるには一定量のエネルギーが必要で、電子はエネルギーの低い順に空の軌道をうめていく。しかし、金属の原子では価電子の数が少なく、共有した価電子で空の電子軌道のすべてをうめることができない。したがって、電子軌道の集合体である金属固体のバンドは、低いエネルギーの電子によって部分的にしかみたされず、電子の存在しない空の領域をもつことになる。この空の領域があるため、電場や熱によってエネルギーをあたえられると、金属の電子は容易に原子間を移動することができる。これが、金属が高い伝導性をもつ理由である。 バンドは完全に連続しておらず、ところどころに隙間(すきま)がある。この隙間の間隔はバンドギャップとよばれ、電子のもつエネルギーの差に相当する。低いエネルギー状態と高いエネルギー状態との間にバンドギャップが存在する場合、電子がバンドギャップをとびこえるには、バンドギャップに相当するエネルギーを必要とする。金属以外の物質のバンドでは、完全に電子でみたされた低いエネルギー状態の領域と、電子が存在しない高いエネルギー状態の領域との間に、バンドギャップが存在する場合がある。バンドギャップが小さく、加熱によって電子が容易に移動できる物質が半導体であり、バンドギャップが大きく、電子の移動が困難な物質が絶縁体である。
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