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項目構成
産業革命は、一方で、製鉄業の発展をとおして石炭やコールタールなどを基礎とする有機化学工業の誕生をもたらした。19世紀半ばになると、広範な有機化合物が研究対象となり、ベンゼンの発見など、石炭の乾留から生じるタールの蒸留分別の成功が、それまでは廃棄物であったコールタールの工業的な有効利用を促進し、ドイツを中心に有機合成化学工業を大いに発展させた。 とくにこのタールの留分を出発点とする染料合成の成功は、それまでの鉛室法にかわる接触法(二酸化硫黄と酸素を直接反応させる)による硫酸製造法の開発が影響し、急速に天然染料を駆逐していった。以来、石炭化学は、医薬、火薬、合成繊維などの原料を生みだすことになる。 1880年代以降は、各地に発電所が建設され、食塩や金属塩(→ 塩)の電気分解、電熱を利用したカーバイド工業など、電気化学の諸分野が発展していく。さらにこの時期、農業の生産性向上によって、おもに窒素肥料の需要が増加し、化学肥料工業のめざましい発展をみた。
20世紀初頭から第2次世界大戦にかけては、合成高分子工業が発展する時代である。戦争への準備、ブロック経済化への対応が、各国の経済的課題となり、天然資源を合成した材料にかえる必要があった。
とくに植民地が少ないドイツは、国内の豊富な石炭を積極的に活用して、多くの資源を化学合成する必要があり、19世紀に生まれたタール化学工業をさらに発展させることになった。 それまで天然のチリ硝石(→ 硝石)に依存していた窒素を合成する技術、窒素肥料や火薬の新しい製法が開発されると、窒素化学工業やカーバイド・アセチレン工業が大きく発展していった。さらに、アセトン、酢酸、塩化ビニル、合成ゴム(→ ゴム)などが開発され、工業化したのもこの時期のことである。
アメリカでは、1920年代に石油、天然ガスを原料とする化学工業がはじまっている。自動車の普及がガソリンを大量に必要としたところから、石油精製業が発達し、その工程で出る廃ガスの有効利用によって、アセトンの原料であるイソプロピルアルコール(→ アルコール)を生産する石油化学工業が発展していく。また、天然ガスからメタノールを合成する方法が開発されると、天然ガスを石油化学原料とすることが一般化した。30年代の石油化学工業は、それまでの中間工業材料の生産だけでなく、一般消費者を対象とする最終製品(合成洗剤など)の製造分野にも波及していった。
このころに高分子化学工業によって生みだされた製品には、ポリスチレン、ポリエチレン、メタクリル樹脂(→ メタクリル酸)、塩化ビニル樹脂、ナイロン、ケイ素樹脂、フッ素樹脂(→ フッ素)などがある。化学工業が一段と大規模になっていったのもこの時期であり、ドイツのIG(イーゲー)、イギリスのICI、アメリカのデュポンなどの巨大企業が出現し、技術や市場への支配力を強化していった。とりわけナイロンの開発に成功したデュポンは、世界の化学工業界に確固たる地位をきずいた。
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