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海にすむ草食(→ 草食動物)の大型哺乳類で、インド洋や太平洋西部の熱帯の海にいる。分布の北限は、日本の南西諸島である。マナティーとともにカイギュウ(海牛)ともよばれ、分類上はゾウなどに近い。体はがっしりとしていて、頭胴長およそ2.4~2.7m。尾はふたまたにわかれ、左右にひらたくなっている。前肢はまるい鰭状、後肢は痕跡(こんせき)もみられない。大きく肉厚の唇をつかって海藻をひきちぎる。 臼歯(きゅうし)と口の中の上下にあるおろし金のような咀嚼(そしゃく)板で食べ物をかみくだく。オスには2本の小さな牙(きば)状の門歯もある。おもに夜に餌(えさ)をとり、ふつうはつがいか小集団で移動する。13~14カ月の妊娠期間の後、冬に通常1子を生み、子は母親の胸鰭(→ 鰭)の付け根にある乳頭から乳をのむ。
ジュゴンは、前肢で子を胸にだいて乳をのませる姿がヒトに似ているといわれている。そのため、昔は船乗りに人魚と思われたことがあり、神話のセイレンともみなされた。ヒトに危害をおよぼすことはないが、美味な肉・脂肪層・油・皮のために、長く乱獲され個体数は世界で4万頭以下になってしまった。そのため、世界自然保護連合のレッドデータブックでは危急種に指定されているほか、日本でも絶滅危惧種(日本哺乳類学会)や文化庁指定の天然記念物となっている。また、2002年(平成14)7月に改正された鳥獣保護法でも保護の対象となった。 1997年11月に沖縄の普天間(ふてんま)飛行場移設計画をめぐる調査において、名護市辺野古(へのこ)海域で1頭が確認されたのを契機に調査がすすめられ、餌場となる藻場なども確認された。研究者は個体数は多くとも50頭以下とみており、全国的な保護運動が広がっているが、移設計画は中止されていない。そうしたなかで、世界自然保護連合は日本政府に対してジュゴンの調査と保全対策を勧告している。 分類:哺乳綱ジュゴン目(海牛目)ジュゴン科。ジュゴンの学名はDugong dugon。
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