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    喫煙 (きつえん)とは、植物を乾燥・発酵などの工程を経て加工した物に火をつけて、その煙を吸引する行為である。 タバコ ・ 覚醒剤 ・ 麻薬 ・ 大麻 などの喫煙がなされるが、ここでは主に タバコ の喫煙について記述する。

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    たばこと健康 たばこをかんがえる 日本人における喫煙者の割合

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喫煙

喫煙 きつえん Smoking
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

タバコの葉を乾燥させ、パイプにつめたり紙巻きタバコや葉巻にしてすうこと。日本では、20歳以上の男性の約半数、女性の約1割がタバコをすっているといわれる。1940年代まではタバコは無害だと思われていたが、さまざまな研究の結果、現在では喫煙がいくつかの病気の原因となることがわかっている。とくに肺癌をひきおこすことが問題となっている。自分でタバコをすわなくても、受動喫煙(間接喫煙)といって、他人のタバコの煙で肺癌になる危険性も指摘されている。

II

歴史

1

タバコの伝播

タバコがヨーロッパにつたわったのは、1500年代の半ばころである。アメリカ先住民がタバコの葉をパイプにつめてすっていたのが、イギリスにつたわった。ヨーロッパでは、パイプにつめるか、葉巻にするか、鼻でかぐかしていた。紙巻きタバコが主流になったのは20世紀初めである。当時は、タバコは無害であり、緊張をほぐすと信じられていた。第2次世界大戦中、医師たちは戦場にいる兵士がタバコをすうことをみとめ、1日の配給物資の中にタバコもいれたくらいである。日本にタバコがつたわったのは1570年代、ポルトガル人によってだとされる。

2

喫煙の規制

タバコは無害であるとされていたが、一方で、疫学研究者は1930年ころ、肺癌が急にふえてきたことに気がついた。19世紀まで肺癌はほとんどなかった。米国癌学会は、喫煙者と非喫煙者の死因を数年間にわたって調査したところ、喫煙者では、癌だけでなくほかの病気でも死ぬ率が高いという結果が出た。さらに、タバコには多くの発癌物質もふくまれていることがわかった。アメリカではこれを重視し、タバコの包装に警告を印刷するなどの方法をとって、すいすぎないよう注意をうながした。また、テレビ、ラジオでのタバコのコマーシャルが禁止になり、公共の場と職場に禁煙区域をもうけることを法律できめた州も出てきた。90年2月には、6時間以内の国内線はすべて禁煙にするという連邦法が可決されている。

WHO(世界保健機関)でも喫煙の有害性を重視し、1970年から喫煙に対するさまざまな対策をおこなっている。88年からは毎年「世界禁煙デー」を実施している(初年度のみ4月7日、翌年以降5月31日)。日本では72年(昭和47)、タバコの包装に「吸いすぎに注意しましょう」という文が印刷されるようになった。92年(平成4)以降は、世界禁煙デーから1週間を「禁煙週間」としている。交通機関など公共の場での禁煙もすすみ、駅では禁煙タイムをつくったり、喫煙場所をかぎるなどの対策がとられている。また一般市民の間でも嫌煙権運動が盛んになっている。生活環境条例

2003年5月には、WHO総会で「たばこ規制枠組み条約」が採択された。たばこ規制条約やたばこ条約ともよばれるこの条約には、タバコの広告を原則禁止する、包装の最低30%以上に病名など健康被害の具体的な警告をいれる、未成年が自動販売機で購入できないようにする、「ライト」などの被害が少ないと思わせる商品名を規制する、といった内容がもりこまれている。アメリカやドイツ、日本の対応は後ろ向きだったが、最終的には日米独もふくめて192カ国・地域が条約に合意し、批准国が40に達してから90日後に発行する。

III

健康に対する影響

喫煙者は、非喫煙者にくらべて、癌の死亡率がはるかに高いことが明らかになっている。1日の喫煙量が多く、喫煙期間が長いほど死亡率は高い。がん研究振興財団の「がんの統計」によると、癌のうち喫煙者の死亡率がもっとも高いのは喉頭癌(頭頸部癌)で、男性の場合非喫煙者の32.5倍、女性で3.3倍、肺癌では、男性で4.5倍、女性で2.3倍にもなる。そのほか、口腔癌、食道癌膀胱癌なども多い。

さらに、慢性気管支炎(気管支炎)、肺気腫、心臓疾患、冠動脈疾患(心臓)、脳卒中(脳血管障害)で死亡する確率も高い。また、喫煙する母親は、早産をしたり低体重児をうむことが多い。これは、胎盤にながれる血液が喫煙によって少なくなるためと考えられる。

2002年1月、厚生労働省多目的コホート研究(JPHC Study)から、喫煙と死亡率の関係についての調査結果が発表された。この調査は、40~59歳の男女約4万人を対象に10年間追跡調査したもので、喫煙者の死亡率は、非喫煙者にくらべて男性で1.6倍、女性で1.9倍高いことがわかった。また、死亡した男性の5人に1人は、もしタバコをすわなければ死亡をふせげたという。一方、以前タバコをすっていたが、その後やめた人の死亡率は、タバコをすったことのない人のそれとかわらなかった。喫煙者は一刻もはやくタバコをやめることが、長生きするうえで大切である。

タバコはすっている本人だけでなく、周りの人にも影響をおよぼす。本人はタバコをすわないが、家族が喫煙者である場合は、肺癌や呼吸器疾患、心臓疾患が多いという報告がある。

喫煙者には、よけいな医療費がかかるということも指摘されている。医療経済研究機構の試算によると、喫煙者本人にかかる超過医療費は1999年1年間で約1兆2936億円にものぼる。ほかに喫煙者以外への受動喫煙や火災などでも損失があるとする。

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