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イスラムには5つの法学派があり、4つはスンナ派に、1つはシーア派に属する。スンナ派の4法学派、すなわち、シャーフィイー派、ハナフィー派、マーリク派、ハンバル派はイスラム教成立後2世紀の間に台頭した。いずれもコーランないしスンナでは対応できない法領域には推論をもちいたが、典拠と類推(キヤース)のどちらに力点をおくかは派によってことなる。しかし、どの法学派もたがいの結論が完全に合法で、正統派の枠組みの中にあることをみとめている。 各法学派は、それぞれことなる地域において支配的である。ハナフィー派はインド亜大陸、中央アジア、トルコ、エジプトの一部、ヨルダン、シリア、イラク、パレスティナにおいて、マーリク派は北アフリカにおいて、シャーフィイー派は東南アジアにおいて、ハンバル派はサウジアラビアにおいて、支配的である。また、シーア派の法学派は十二イマーム派またはジャーファル派とよばれ、イランにおいて支配的である。
ジハードは「神の道のために努力すること」をあらわす言葉だが、ふつう「聖戦」と訳され、必要があれば軍隊をも動員して「地上の改革」をめざす戦いを意味する。しかし、ジハードの使命は、領土の拡張やイスラム教への強制的な改宗ではなく、政治権力が公共機関を通じてイスラム教の諸原理を実行することなのである。それにもかかわらず、ジハードの概念は、政治的野心しかない戦争を正当化するためにたびたび利用された。
コーランにしたがえば男女は平等だが、男性は家計をささえなければならないため、その地位が一段高い。コーランには女性がおかれた状況を改善する方法がしるされている。たとえば、ある部族で流行していた女児殺しの禁止や、配分は息子の半額ながら娘にも相続権があたえられたことなどである。 コーランは、くりかえし女性には親切に接するように強調し、夫に虐待された場合に離婚する権利についてもふれている。コーランは4人まで妻をもつことをみとめているが、同時に、「すべての妻を公正にあつかえないなら、ただ1人だけにせよ」とも説いている。しかし最近では、一夫多妻の弊害や、たとえ妻に落ち度がなくても妻を離縁できる伝統的イスラムの夫の権利がみなおされ、大部分のイスラム国家では新しい家族法が制定されている。
男児に割礼をほどこす習慣が古くからおこなわれている。しかしコーランにはとくに規定はなく、アブラハムがその子イサクを割礼した伝承にしたがっておこなわれている。また女児にも割礼をほどこす地域もある。 イスラム教徒の女性は、ベールやヒジャーブで顔や身体をおおう風習があるが、これはコーランの中で他人に自分の身体をあらわにみせることが禁じられているためである。 ほかに日常生活において、禁酒や豚肉の食用禁止、賭博(とばく)や利子をとることの禁止といった宗教上の理由による規制がいくつかある。
シャッワール月1日の断食明けの祭りイード・アルフィトルと、ズー・アルヒッジャ(巡礼)月の供犠(くぎ)の祭りイード・アルアドハーが、コーランやスンナによってもさだめられ、宗派を問わずおこなわれている二大祭りである。このほか預言者ムハンマドの生誕をいわうマウリド・アルナビーをはじめとする、聖者たちの生誕祭マウリドがある。また、シーア派では、フサイン殉教を追悼するアーシューラーや、歴代イマームの生誕祭などがおこなわれている。
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